ラマルク・コーランクールの駅を出ると、小さなかわいいメトロの案内塔。その先の、いかにもモンマルトルという風情の石の階段を下りていくと、ひっそりとたたずむ小さなバーがある。店名は、ウィリアム・バロウズの小説『裸のランチ』から由来している。バロウズの小説は読んでいなくても、デヴィッド・クローネンバーグ監督の同名の映画で、その名を知っている人も多いのではないだろうか。
バロウズから想起する強烈なイメージを思い出すと、できればそんな店に飲みに行きたくない気がする。しかし、ここでしか味わえない珍しいおつまみがあるという、ムシできない情報と共に、教えてもらったアドレスにたどり着いた。意外にもオープンな店構えで、小さなバーカウンターには30種以上のビールがあり、1杯3€から。オリジナルカクテルも豊富にそろう。奥には映画用スクリーンがあり、レトロな特撮SF作品の映像が流されていて、キッチュな雰囲気。毎週日曜の夜には、テーマにそって厳選された映画の上映会が開催されている。特にアメリカ映画になみなみならぬ造詣(ぞうけい)の深さを感じる作品選び。
そしてこの店の、珍しいおつまみ「虫のサラダ」。5€のバッタ系と4€のミミズ系の2種類あるので、迷ったら両方頼むべし。お味の方は残念ながら、滋味も風味も何もないが、そのグロテスクな様は、まさにバッド・トリップ、いや、バッタ・トリップ。ムシ暑い夜に、罰ゲームか度胸試しに、めしあがれ。(高)
Le Festin Nu
Adresse : 10 rue de la Fontaine du But, 75018 parisTEL : 01.4258.6064
URL : http://www.lefestinnu.com
月休。18h-01h30。