「シュークルートの季節がやって来た!」と言っても、もともと保存食なので年中おいしく食べられるのだが、8月に収穫された新キャベツが、おいしいシュークルートになってパリに到着している。店頭には、「La choucroute nouvelle est arrivée!」の張り紙。
いわゆるキャベツのお漬け物であるシュークルートは、作り方は至って簡単ながら、風味のバリエーションが多い。空気中にある自然の乳酸菌を発酵に利用するため、生産地の風土が味に違いを生み出すのだ。ここはひとつ、評判のアルザス食材店で材料をそろえて、手軽においしい初物、シュークルート・ヌーベルを味わおう。(高)
キャベツは1人前が約350グラム。ソーセージは手前から、粗挽きで力強いモンベリアール。クミンの風味で食が進むキュマン。白くさっぱりしたナック。ご存知、柔らかな風味のフランクフルト。左はスモークしていないベーコンと、これが入ると一気に豪華になる骨付きスネ肉、ジャレ。写真は約4人分です。
●作り方(というか、温め方)
キャベツはシャンパンで煮込んだものもがあったが、昔ながらの白ワイン煮のものを選んだ。ソーセージやハムはいろいろ試してみるのが正解。でも、ジャレが入ると豪華な感じなので、せっかくだから入れましょう。もちろん、ジャガイモとワインも忘れずに。
充分な大きさのココット鍋に、白ワインをコップ1杯ほど入れ、キャベツを温める。弱火でじっくり20分待ってから、ジャレとベーコンを投入。キャベツの下に潜り込ませるようにし、さらに20分温めにかかる。その間に、別の鍋で皮をむいたジャガイモをゆではじめる。沸騰してきたら、長くゆでたいソーセージを一緒に入れてしまう。フランクフルトやナックは、「あと5分くらい」となったらココット鍋に追加。後はお皿に盛りつけてマスタードを添えるだけ。簡単。
●Schmid
アルザスからの列車が到着する東駅。その駅前にある、アルザス食材の老舗がSchmid。ハムやソーセージはもちろん、ジャムやクグロフ、プレッツェルなども充実していて、店先のスタンドでは美味しそうなサンドイッチが並んでいる。
こだわりのシュークルートは1キロ6.7€(白ワイン煮)、シャンパンで煮込んだものは1キロ7.2€、煮込んでいない状態のものが1キロ4€。ソーセージやジャガイモなども入った、シュークルートセットが1人前、11€からで、ネット通販もある。
76 bd de Strasbourg 10e 01.4607.8974
M°Gare de l’Est
月〜金9h-20h、
土8h30-19h45。
●Bofinger
秋になると、ふつうのカフェでも、キャベツにソーセージ1本、三枚肉、それにハムがついているようなシンプルなシュークルートがメニューに載る。でも本格的なシュークルートを食べたかったら、ブラッスリーへ。昨年12月にレストラン欄で紹介したL’Européen(21bis bd Diderot 12e 01.4343.9970)が、値段も手頃でおすすめ。Bofingerは、バスティーユ広場近くにあり、ガラス張りのドームがある内装が美しい。ここのシュークルートは豪華(24€〜42€)。おなかが空いていたら、豚肉製品すべてが盛り合わされた»Choucroute Royale«に挑戦してみたい。ロブスター付きの海の幸シュークルートもある。飲み物はビールかアルザスの白ワイン、リースリング。
5-7 rue de la Bastille 4e 01.4272.8782
12h-15h/18h30-0h(日 -23h)。無休。
Schmid
Schmid
クグロフは大8.5€。
Bofinger