画面を切り裂いた抽象画で有名なルーチョ・フォンタナ(1899-1968)だが、この回顧展を見れば、彫刻、絵画、建築と多岐にわたって前衛的な活動を行った複合芸術家であることがわかる。会場は1920年代末から最晩年までをカバー。初期の具象彫刻、陶器もあり、フォンタナに対する先入観が打ち破られる。1946年から、絵画・彫刻・詩・音楽といった伝統的なジャンルを超え、色、音、動き、空間を統合した芸術を目指す「空間主義」理論を発展させた。最晩年の、ポップ調のデザイン性の強い作品を見ると、古い衣を脱ぎ捨てて絶えず新しいものを追求していく姿勢がうかがえる。8/24迄(月休)。
Musée d’Art Moderne de la Ville de Paris :
11 av. du Président Wilson 16e