ビデオアートの先駆者で、今も刺激的な作品を発表し続けるビル・ヴィオラ(1951-) の回顧展。石の棺に横たわった男の上に水が降り始め、しだいに洪水のようになり、最後は男が降りしきる水の中を天に昇っていく「トリスタンのアセンション」。石油の海のような中に沈み込む女の背後の炎がゆらめいて、最後には炎が暗い海で泳ぐ魚のような抽象模様になる「炎の女」。かすんだ古い写真の世界にいるような3人の女が、水の壁を通るとリアルな現実の女になる「3人の女」。バックグラウンドには哲学、宗教、精神世界がある。作品についての事前知識や説明なしで、一人ひとりが感じるままに見てほしいと言うヴィオラの作品は、さまなざな解釈が可能だ。7/21迄(火休)。
グランパレ
画像:Tristan’s Ascension ( The Sound of a Mountain Under a Waterfall ) 2005
projection vidéo couleurs haute définition, quatre enceintes 10 minutes 16 secondes
Performeur : John Hay
Collection Pinault
Photo Kira Perov