“Carl Larsson, L’imagier de la Suède”

 見た後でほんわりと暖かい気分になる。5月の飛び石連休に、家族で行くのにおすすめしたい展覧会だ。
 スウェーデンの画家、カール・ラーション(1850-1919)のフランス初の回顧展である。ストックホルムで美術教育を受けた後、1887年から数年間スウェーデンとフランスの間を行き来し、フランス美術界で成功することを夢見た。最初は資金が底をついたり、公募展で評価を得られなかったりと、さんざんな目にあった。しかし、スウェーデン人の画家と結婚した頃から評価されるようになり、サロンで賞を取ったり、フランス政府から水彩を買い上げられるようになった。1883年にスウェーデンに戻ってからは、壁画制作で有名になった。
 ラーションの本領は、田舎の家で妻と子どもたちと過ごす日常を絵日記風に水彩で描いたシリーズ『私たちの家 Notre Maison』(1894-96)に発揮されている。この家は、ストックホルムから北230キロのスンドボーン村にあり、一家の田舎の別荘だったが、1901年からは本拠地になった。
 パリ時代から上手さが目立っていた水彩画は、その繊細な筆致と色彩が、家族の風景という親密なテーマにぴったり合い、生き生きとした動きのある情景を描き出している。川辺でザリガニを獲る子どもたち。女の子は邪魔なスカートのすそをまくって釣りに熱中している。川辺で昼食にするのだろう。テーブルにはゆでたザリガニが山のように積まれている。
 机に座って手紙を書く少女がいる部屋の窓辺には、植物を置く階段状の緑の棚がある。
 お父さん(ラーション)の寝室では、ベッドの天蓋と部屋の窓枠が赤く塗られている。
 このシリーズの魅力の一つは、1900年当時のスウェーデンのインテリアデザインが見られること。ラーションはスンドボーン村の地方のインテリアに驚いたというから、ストックホルムとは違った装飾なのだろう。北欧インテリアというとミニマリスト的なイメージがあるが、この家のインテリアは赤と緑をアクセントに使ったカラフルで楽しさに満ちたものだ。元気がない人も元気になれそうな家である。会場は、ラーション家の親密な雰囲気を味わえるよう、工夫されている。(羽)
Petit Palais:Av. Winston Churchill 8e 
6月7日迄。月休。
画像:Carl Larsson, La Correspondance
Aquarelle, 1912
© Nationalmuseum Stockholm