7月第1週はバタバタしているうちに過ぎた。6月末の次男の中学修了免状(Brevet)試験2日目に高校の割当通知をもらってきたと思ったら、翌月曜日には高校登録手続き、7月5日には高3の長男のバカロレアの合格発表があった。
パリ市では、「Affelnet」というシステムによって、中学4年時の1年間の成績と本人の希望をもとに各生徒に進学する公立高校を振り分けるようになっている。パリを4つに区切ったゾーン内の公立高校から本人が第8希望までを紙に書いて提出。成績が主な選択基準だが奨学生であればやや優遇される。それをコンピュータにかけて高校を振り分けるわけだ。
各ゾーンにはバカロレアの合格率が100%に近い「よい高校」や、「まあよい高校」、「よくない高校」などのランク付けが存在する。当然、「よい高校」に希望が集中するので、中学4年生とその親は本人の成績と高校の難易度を考慮して希望リストを作る。自分の成績に見合わない「よい高校」ばかりを希望リストに出すと、希望校を割り当てられず、7月の第2週に行われる第2ラウンド(空きのある高校への振り分け)に持ち越される。
高校の割当書を持って帰ってきた次男はショックを受けていた。第3希望までには入れると思っていたのに、第4希望を割り当てられたからだ。Brevetが終わった週末は友人と遊んでいたが、顔色はさえない。納得できない顔をしながらも、週明けには高校に登録に行った。
5日は用事のある長男に代わって、指定された高校にバカロレアの結果を見に行った。10時に扉が開くと合格者の名前が張り出されている中庭の掲示板に生徒たちが殺到し、掲示板に近寄れない。「やった!」「Très bienで合格した!」という喜びの声の一方で、「だめだった…」という落胆の声や涙声が聞こえてくる。15分ほどしてやっと掲示板の前にたどり着き、長男の名前を見つけた時はほっとし、「バカロレア」という言葉につきまとわれた1年がやっと終わったという気がした。(し)