カルル=アマデウス・ハルトマンは、1905年にミュンヘンで生まれた作曲家。ウェーベルンに学び、交響曲に鋭い才能を見せた。戦後は、ストラヴィンスキーの影響を受け、ブーレーズの行き方にも興味を示したという。1963年に、ジャン・ジロドーの劇曲に霊感を受けて『Scènes chantée』を作曲。古代神話にテーマを求めながら、世界の終えん、自己破壊を描いた、どこまでも暗く不安に満ちた作品だという。歌うのは当代一のバリトン歌手、マティアス・ゲルネ。オーケストラは、欧州屈指のレベルに達したといっていいパリ管弦楽団、指揮は、シューベルトの『白鳥の歌』ですでにゲルネと共演しているクリストフ・エッシェンバッハ。柔らかでいながらよく響くゲルネの声が聴きものだ。ほかにチャイコフスキーの交響曲第5番。パリ管の金管の実力が発揮される名曲だ。(真)
5月29日
10€〜60€。
Salle Pleyel : 252 rue du Fbg St-Honoré 8e M°Ternes www.sallepleyel.fr