同性結婚法案をめぐり フランスが真っ二つ。

 1 月29 日から国民議会で討議が始まった「同性結婚・養子」法案に向けて1月13日、反対派35万人(警察調べ)〜80万人(主催者発表)がパリでデモをくり広げた。27日、同法案支持派が反撃デモ(同12万人/40万人)。前者は、1984年カトリック系私立校改革法案に対し約100万人が反対デモをし、ミッテラン政権に法案を撤回させた大規模な反対運動に匹敵するといわれている。
 参加者は、ホモセクシャルを嫌悪し中絶にも反対してきた超保守派や、1998年パクス法(市民連帯協約)に反対した右派層、同性結婚は認めるが「子供はパパとママが必要 ! 」と彼らの養子縁組に反対する人たち。カトリック教職者は、教会法「結婚は男女の愛の結び付き」を掲げ、同性結婚と彼らの養子縁組を「文明の終焉(しゅうえん)」「人類の均衡破壊」と大見得を切り、「誰もが結婚できる権利」に反対する。
 フランスは、1981年に同性愛を精神病のリストから外した。1982 年に同性同士の「慎みなき行為(性行為)」を罰する刑法を廃止。1999年に同性同士にも適用されるパクス法が成立した。
 保守層は、古代からある同性愛を「自然の摂理に反する」としてタブー視し、フランスではカトリック慣習によりホモフォビア(ホモ排斥)感情が根強い。しかし離婚を認めない教会法は化石化し、中絶やピル、医療の発展で男女不妊症者への生殖補助として人工授精や試験管ベビーも一般化。外国には代理母サービスもある中で、子をもち、育てる権利を同性愛者にも認めるべき、と支持派は叫ぶ。レズビアンの人工授精出産には、社会党議員の中にも反対があり、同修正案は、3月の国民議会での家族関係法案審議に回される。
 フランスでは、独身にも養子縁組が許されるので同性カップルの1人が養父母になれる。しかし養父母の死後、子供の保護はどうなるのか。同性結婚法により、 パパ2人、ママ2人に同格の親権が認められ、家族手帳にも父・母の代わりに「親」とだけ記されるようになるそう。
 ヘレン・フィッシャー著『人間は4年で離婚する』が指摘するように、男女カップルは数年毎の離婚・離別・再婚・再パクスをくり返す。保守層は「子供はパパとママが必要 ! 」と叫ぶが、次々に親のどちらかが替わるか、片親家庭になるかどちらか。婚外出産児も52%に達する。男女関係・家族の流動的社会の中で、ゲイやレズビアンはマージナルな存在として扱われ、特にゲイはエイズ禍の時代から蔑視の対象として差別されてきた。ドラノエ・パリ市長は、同性愛者であることを1998年、テレビで公表した。Nouvel Observateur誌(1/10-16)で、アヤゴン元文化相やクルゼル・グランパレ館長を始め、監督や俳優、弁護士、TV司会者、作家、スポーツ選手ら20人余の著名人が同性愛者として証言している。
 2000年以降オランダ、北欧諸国、カナダ、カトリック色の強いスペインやポルトガル、アルゼンチン、南アまで、すでに14カ国が同性結婚を認め、ポルトガル以外は養子縁組も認めている。愛で結ばれ、一生を共に送ろうとする同性カップルの結婚による社会的認知を拒む保守層は、いつまで風俗の進展を無視しつづけられるのか。(君)

 

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