「このcantine(食堂)が蚤の市とパリを連想させ、同時に自分がどこにいるのか分からない気持ちにさせることを願っている」。常に時代の先端を走るデザイナー、フィリップ・スタルクが手掛けたサントゥアンの蚤の市の中、ポール・ベールとセルペットに隣接されたレストラン〈Ma Cocotte〉。
総面積1000m2、ニューヨークの放置された工業跡地に建てられたロフトをほうふつさせる木材と紅色の煉瓦が連帯された建物。2フロアと2テラスからなり、250席が確保できる。1階のオープンキッチンの前には分厚い木材の長いテーブルとメタリックな椅子が置かれ、ホールのクラシックな木のテーブルには鋳型で作られた木材の肘掛け椅子、学校で使われている椅子のレプリカ版、床は古いタイルのパッチワーク模様。蚤の市でフィリップ・スタルクが2年間かけて探した様々なオブジェが飾られている。多くの異なった素材とフォルムが集められたフロアだが威圧感はなく調和のとれたアンビアンスだ。2階は70年代のスイートホームを思わせる。
ぜひ訪れたいのは、地下のトイレ。中央に大きな洗浄フォンテーヌがあり、壁面も床も真っ白いタイル張り。変化のある空間の中で「ここはどこ?」と思わせたのはフィリップ・スタルクの魔法?(苗)
Restaurant Ma Cocotte
Adresse : 106 rue des Rosiers , 93400 Saint OuenTEL : 01.4951.7000