仏農業省の関連機関「フランスアグリメール」が最近明らかにした予測によると、米国やロシアの干ばつにより、小麦、トウモロコシなどの穀物や大豆の生産量が落ち込み、2007〜08年のような世界的穀物危機が訪れる恐れがある。米国はトウモロコシと大豆の世界生産量の3分の1を供給する国だ。国連食糧農業機関(FAO)も8月9日、穀物、砂糖、油、肉、乳製品といった基本的な食料の価格をベースにした世界食料価格指数が7月に213となり、前月比で6%上昇したと発表した。とくに値上がりしたのは穀物で、7月の1カ月間で相場が17%も上昇し、2008年の最高記録に接近しつつあるという。食糧供給を輸入に頼る発展途上国が影響を受けることは必至で、2007〜08年の食料価格高騰によるアフリカ、中南米などでの暴動や、2011年の中東・北アフリカの民衆蜂起がいやでも思い起こされる。肉や乳製品の価格は安定しているものの、穀物価格の上昇による飼料値上げで食肉生産が落ち込む懸念もあり、フランスでもさらなる食品の値上げが庶民の生活に影響を与えることになりそう。(し)