彼の家具はポエティックなサーカス

●Hubert Le Gall
 風に揺らぐ木々のなかに一光に輝くオブジェ。連立する木造のアトリエ。パリのなかでも最も美しいアーティストのシテに家具デザイナー、ユベール・ルガルのアトリエがある。帽子に飛びかかったウサギの耳を突き抜けるろうそく立て、アニメーションから抜け出たような猫のフォトフォール、ゴールドブロンズのマ?ガレットの花で覆われたろう引きの木彫コフレ、愉快でユーモラス、ポエティックな彼の作品が心を躍らせる。80年代に画家から家具のデザイナーに転身した、型にはまらない経歴を持っている。
 そこで、専門学校で勉強していないことでの良い面とハンディキャップは? と尋ねてみた。
 「20年前、ポートレート画家だった僕は、彫刻とクリエーションへのパッションでエコール・ブル(インテリア・デザイン専門高等学校)出のアシスタントを雇い、共同で家具を作った。専門知識を持たないことで、逆に自由な発想が生かされ家具を作り、顧客ができた。当時は、家具は好きか、嫌いか、自分の好みが優先の市場だった」
 「ハンディキャップは、工業デザイナーとして低価格の商品を作れないことかな。マチエールやクリエーションが先行して商品に結びつかない」
 バックグランドに美術、建築の知識が豊富なユベール・ルガルのクリエーションは気まぐれな偶然性を超え、日常生活にオプティミズムの風を運ぶ。(苗)

 

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