小さな劇場だからこそ「親密な」空気

Photo:Lot

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On est tous porté sur la question

「われわれはみな性行為を行う動物である」という理念から出発して、セバスチャン・アゾパルディをはじめとする若い劇作家4人が「性欲」をテーマに短い劇を書いた。それを寄せ集めてオムニバスにしたのがこの戯曲で、今年1月からロングランを続けている。

はじめの劇では、結婚12年目で倦怠(けんたい)期を迎えた夫婦が各々、どうしたら日常の繰り返しから抜け出せるかとカウンセリングを受ける。次の劇では、赴任が決まりアパートを売りに出す夫婦と買い手候補である同僚のカップルの間で取り交わされる、性を描写する俗語がたっぷり入ったおかしな会話が主軸。三つめの劇では、3度目のデートでようやくベッドインをするのになぜかセックスをするまでに至らない、という状況に業を煮やしたペニスとヴァギナがそれぞれの持ち主に苦情を言いに登場。最後は、ポルノ界では今ミュージカル映画が流行り!  と張り切る監督の撮影現場が描かれていく。

誇張ももちろんあるけれど、私たちの日常で起こってもおかしくないシチュエーションや会話の数々。かなりきわどい表現や仕草もユーモアたっぷりに書かれ、演じられると、いやらしくも下品にも感じられない。そうそう、フランスは暴力には敏感でも性描写には寛容な国だったのだ。そして何よりも、この国の人は「性」の話が好き、よく使われる「séduction」という言葉にしても、自分の好きな、そして征服したい相手をいかに魅惑し誘惑するか、という「性的」で「動物的」な意味を持つ。演ずる男女4人は、配役もぴったりで小さな舞台を楽しそうに動き回る。小さな劇場だからこそ「親密な」空気がつくりだせるのだ。そこが私は気に入った。(海)

Théâtre Mélo d’Amélie : 4 rue Marie Stuart 2e
01.4026.1111
www.lemelodamelie.com
火-土21h30、日17h30。10€-22€。


 

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