新型のブキニスト(古書露天商)用の箱、4タイプが展示されていると聞いて、パリ市庁舎近くのセーヌ川沿いに行ってみた。実際にブキニストが試用しているのかと思ったが、そうではなくて閉じられたまま展示されている。トランクのような箱、長細い箱、今のブキニストの箱に近いもの、巨大ゴミ箱のような箱の4つ。パリ市サイトによると、落書きできない特殊加工がしてあり、足元を暖めたり、照明が内蔵されているらしい。数週間展示して、最も評判のいい箱を選ぶそうだ。そばにいたブキニストにどれがいいかと聞くと、「こんなトランクや棺おけやゴミ箱のようなのはダメだ。それに木製じゃないから本が呼吸できない、ちょっと試してみたけど、使い勝手も悪い。パリ市は新しい箱を私たちに買わせて儲けたいだけだ」と散々な感想。市としては美観のために、落書きされたり、痛んだりした箱を一掃したいのだろうが、ブキニストの意見はあまり反映されていないようだ。(し)