オリガミストのジュリアン・グリットさんは2004年より、モンマルトルのサクレクール寺院の東はシャトー・ルージュ付近に住んでいる。「ここはまるでアフリカか!っていうくらいアフリカ人が多い地域だよ。でもアフリカ十数カ国もの人が混ざっているからゲットーめいた雰囲気はまるでないんだ」。建物を除いて、歩く人も商店も、全てがアフリカ一色だ。グリットさんはポワソニエ通りの建物の中庭側に住んでいるが、そこはアフリカンスーパーマーケット用の野菜倉庫になっていて、エキゾチックな香りが漂っている。
コスモポリタンとはこういうことなのだとつくづく思わされるが、ここ数年は、ここも例外ではなくフランスのBOBOたちもやってきて住んでいるので、これまた更なるカルチャーミックスがされている。またレゲエやスカのミュージシャンたちも界隈を起点にしていて、そちら系の音楽が聞けるバーが数軒ある。ジュリアンさんが住むRue des Poissoniers(魚屋通り)だが、その名の由来は14世紀初頭以来、ノルマンディーの海から揚げられた魚がここで売られていたためで、道はレアールへと続いている。今でもその名残なのか周辺には魚屋が多く並ぶ一角があり、地元住民の活気に溢れる中、驚く程安い値段で魚が売られている。
「オリガミスト」とは何かというと、折り紙を中心にあらゆる大きさと紙を使ったペーパークラフト・アーティストである。ジュリアンさんは小学校1年生の時に、ある折り紙師から折り紙を教わって以来ずっとその魅力に取りつかれてきた。後に演劇やパフォーマンスをやりながら折り紙ワークも総合したアーティストになった。彼が折り紙作品をつくる時はあくまでもパフォーマーだ。紙を折っていく手つきは踊りのようにリズミカルで心地良い響きをたて観衆をワクワクさせる。日本の折り紙の要素に立体的なボリュームがついた作品には独特の世界観が現れ感動する。「今年の夏は日本に行くので、いろんなイベントに参加したい」。風呂敷の包み方のバリエーションも習得したいそうだ。(久)
イベント会場の天井を埋め尽くす ジュリアンさんの作品。
イベントにて某ブランドのワニを制作。
2月26日ジュリアンさんのパフォーマンスが Bizz’Art Bar のソワレBurlesqueにて。
某寿司チェーンの イメージ写真にも。 www.juliengritte.com