会計監査院は12月6日、パリ交通公団RATPの企業委員会の放漫運営を厳しく非難する報告書を公表した。企業委員会とは、労働者の権利を守るために労働条件や福利厚生について経営側と交渉して協約を交わす役割を担い、従業員50人以上の企業に設置が義務付けられている。同報告書によると、職員食堂の運営や、バカンス宿泊施設の改修工事や忘年会実施の際に、企業委員会の事務局長と会計係が入札を行わずに業者を決定しており、請求書が水増しあるいは架空請求であるケースが多く発見されている。また、年間5300万ユーロの予算を有する企業委員会の会計が公開も監査もされていない。会計監査院の訴えを受けて9月からパリ検察局が予備調査を行っているほか、監査院は法務省に司法調査の開始を求める訴えを出した。