ムードン天文台— 太陽物理学研究の 重要な拠点。

文化遺産の日や科学フェアといった限られたイベント時に見学できる。イベント時には未来の天文学者さんが活躍。
文化遺産の日や科学フェアといった限られたイベント時に見学できる。イベント時には未来の天文学者さんが活躍。
 パリ天文台はフランスを代表する天文学研究機関。3カ所に観測所を持つが、「パリ」と銘打っていても、1667年にルイ14世が建設させたダンフェール・ロシュロー近くの観測所以外は市外にある。電波天文学専門の研究所として創設されたサントル地方のナンセー観測所と、パリ郊外ムードン市の観測所だ。
 このムードンの観測所、別名「ムードン天文台」は、1875年に天文学者ピエール・ジャンサンの指揮下で天体物理学の観測所として誕生。ジャンサン自身が太陽スペクトル線研究の第一人者だったため太陽物理学研究の重要拠点に。今回は文化省主催イベント〈科学祭り〉の期間中に、小学生の遠足の引率という名目で見学の機会を得た。
 まずは大学院生によるレクチャーから。テント内の展示スペースで子供たちに天文のいろはを伝授する。パリ天文台は教育省管轄で国立大学に近い顔を持つため、このような機会には明日の天文学者を目指す院生らがイベントにかり出されるのだ。
 次に35mの高さを誇る太陽塔へ。展望台に昇れると思い興奮するも、隣接する二階建ての建物に案内されてがっかり。だが暗闇の部屋では、太陽塔内の巨大望遠鏡からきた太陽光線を分光する自慢の「スペクトログラフ」という装置を見学。「スペクトル」を「太陽スペクトル」ではなく、「幽霊」の意味にとり違えた子供が、「ここに幽霊がいるの?」などと質問していたのが可愛らしい。そんな質問に呆れてか、天文学者さんが手作りのミニチュア版「スペクトログラフ」を出してきて、子供たちに順番にのぞかせてくれた。筆者は見られずじまいだったが、白い筒をのぞくと分光された虹色の光が見えたらしい。この細長い筒の表面には〈TAKAHASHI〉という文字が切り貼りしてあった。聞いてみると「日本の同名の望遠鏡の会社が優秀だから、冗談で名前だけ拝借した」のだとか。ジャパンクオリティは天文業界でも健在だった。(瑞)
500年の歴史を持つムードン城。現在は資料

500年の歴史を持つムードン城。現在は資料

手作りのミニチュア版「スペクトログラフ」をのぞく。

手作りのミニチュア版「スペクトログラフ」をのぞく。

巨大望遠鏡を隠し持つ太陽塔。曇り空が残念!

巨大望遠鏡を隠し持つ太陽塔。曇り空が残念!


Observatoire de Paris, site de Meudon

Adresse : 5 place Jules Janssen, 92195 Meudon
URL : http://www.obspm.fr
地下鉄Mairie d'Issy下車、169番のPont de Sèvres方面行きバスでPlace RabelaisかEglise de Meudon下車。
Tags: