9月になると完熟したプラムたちが八百屋の店頭を飾る。緑色のレーヌ・クロード、小さめの黄金色のミラベル、深い紫色で紡錘形のクエッチ…。そのまま食べてもおいしいけれど、砂糖煮にしたり、タルトに入れて焼いたりすると、特有の甘酸っぱさが凝縮され、うま味がさらに増してくるようだ。今回はレーヌ・クロードでチャツネ、ミラベルを使ってタルトです。
まずチャツネ。レーヌ・クロードはさっと水洗いしてから、よく切れるペティナイフで二つに切り分けて種を除く。タマネギはみじん切り。ショウガは皮をむいてから細くせん切り。カルダモンはめん棒で押しつぶして皮をのぞいて黒い種だけを使う。中鍋に以上の材料をとり、シードルやシェリー酒ベースのビネガー、褐色のしょ糖を加え、黒コショウを挽き入れ、軽く塩をし、フタをして中火にかける。時々木のヘラで混ぜ合わせながら沸騰してきたら、弱火に落として30分。今度はフタをとって水気を飛ばすようもう20分くらい。全体がとろりとなったらでき上がりだ。ビネガー、砂糖、塩の分量はもちろん好みで調整してください。カレーに添えるだけでなく、豚肉のローストやブルーチーズとも相性がいい。
次はミラベルのタルト。生地のうまさが極め手なのでパット・ブリゼは自分で作ること(作り方は697号のレモンのタルト参照。ただし今回は空焼きはしません)。ミラベルは、洗ってからなるべく切り離さないようにしながら二つに割って、中の種を取り出す。ここでオーブンの目盛りを180度から200度に合わせて点火。2時間ほど寝かせておいたパイ生地を、4ミリほどの厚さに伸ばす。あまり薄くしないこと。バターをしっかりと塗った直径28センチの型に、この生地をおさめる。生地の底をフォークでまんべんなく突っついてから砂糖を大さじ2、3杯振る。この上にミラベルを並べ、さらに同量の砂糖を振りかけてから熱くなっているオーブンへ。30分ほどで焼き上がる。(真)
チャツネ:レーヌ・クロード500グラム、タマネギ1個、
小指大のショウガ、カルダモン5、6個、ビネガー100cc、
しょ糖sucre roux100グラム、塩、コショウ
タルト:パイ生地、ミラベル500グラム、砂糖、バター