社会党予備選挙に向けて。

 来春の次期大統領選挙への社会党候補を選ぶ予備選挙が10月9日、16日に行われる。今回初めて一般の有権者が参加でき、全国1万1千カ所に投票所が設けられ、投票者は1ユーロを党に献金し、投票時に「左派及び共和国の価値観に共鳴する」という憲章に署名する。社会党としては、少なくとも100万人の参加を見込んでいる。
 候補者は計6人。3月に立候補宣言した元第一書記フランソワ・オランド(議員兼コレーズ県会議長)。マルチーヌ・オーブリ(リール市長)は、ストロス=カーンのNYでの性暴力事件直前まで彼を推していた手前、決断が遅れたが6 月に立候補し、第一書記代理の座を忠臣アーレム・デジールに託す。前大統領選でサルコジに負けたが「市民のパワー」を信じるセゴレーヌ・ロワイヤリ(ポワトゥ・シャラント地方圏議会議長)。脱グローバリゼーションで「新しいフランス」を目指す若手のアルノー・モントブール(議員兼ソーヌ・エ・ロワール県会議長)。ブレア元英首相を見習う若いマニュエル・ヴァルス(議員兼エヴリー市長)。年長(64)のミシェル・ベイレ左翼急進党代表(上院議員兼タルヌ・エ・ガロンヌ県会議長)と続く。
 8月16-22日、IPSOSが3677人にアンケートした投票予想によると、オランド42%、オーブリ31%、ロワイヤル18%、モントブール5%、ヴァルス3%、ベイレ1%と、オランドとオーブリが他を引き離す。決選予想率はオランド53%、オーブリ47%で、捕らぬ狸の皮算用、オランドはすでにサルコジ大統領との決戦にそなえて、話し方までミッテランを真似て左派にも中道、右派にも好まれる「ノーマルな」次期大統領のイメージづくりに懸命。
 一方オーブリは側近がいうように、クルマにたとえれば「当初ディーゼルエンジンで始動したが、いまやターボチャージャーの勢いでばく進」しつづけ「信頼できる野心的な」社会主義の旗を掲げる。ドロール元EU委員長の娘として親の七光りに浴しながら以前は「我々」と1人称複数で演説していたが、いまは「私は… J’ai envie que …」と党としてよりも彼女自身を打ち出している。オランドもオーブリもロワイヤルも、公約はほとんど失業・財政赤字・教育・治安対策…とサルコジ大統領を批判することに終始している。3人の中でオーブリはジョスパン内閣で週35時間法を制定させた元社会問題相、ロワイヤルは元環境・家庭問題相を務めている。が、オランドは、社会党政権で元内縁者ロワイヤル(子供4人)が大臣職に就いたが、一度も大臣になったことがない。
 サルコジ大統領はメルケル独首相とのしぶとい談判で財政的に沈没中のギリシャへのEU資金(仏150億?分担)による救済策を強行。リビアへは英軍と強引に軍事介入し反乱軍を勝利に導いたのを国民は見ており、社会党候補が同様の国際状況に対しどこまでカリスマ的主導力を発揮できるのか市民は懐疑的。先の調査で、予備選挙で誰を選ぶかの目安として公約内容54%、性格27%、大統領選に勝利できる適性17%と出ている。
 8月26-28日ラ・ロシェルでの夏の社会党大会で突っ張りぎみのオーブリに対し、オランドは党内論争を飛び越え、国家レベルの超然とした将来の ?「静かな」大統領の風貌を見せる。(君)

 

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