カンヌ批評家週間では開幕作品に。パリシネマ映画祭ではコンペ部門に登場し三冠に輝く。すでに映画ファン注目の一本が満を持して劇場公開となった。
女優&監督のヴァレリー・ドンゼッリが、自身の辛い実体験を濃密ドラマに転化。18カ月で脳に腫瘍が見つかった息子アダムを救うため、新婚カップルは慌ただしく試練に立ち向かっていく。感傷に浸る暇もなく、ただ病魔に d?clarer la guerre (宣戦布告)をするだけだ。「本作は多くの希望と未来があるからメロドラマではない。むしろ肉体の映画」とは監督さんの言葉。当事者である元旦那と九歳の息子が本人役で出演。そんな家族ぐるみの潔い割り切りぶりはさすがフランスだ。(瑞)