自分の子供にバイリンガル教育を実践した人、あまりしなかった人、そしてバイリンガル教育をされたり、されなかったりした子供はどう考えているのだろうかを考える特集です。バイリンガル教育の専門家、バーバラ・アブデリラ=バウアーさんにも話をうかがいました。(し)
子供のバイリンガル教育についてフランス社会の認識が近年変わってきたと思いますか。
英語を身につけることが大事だという一般の認識が高まってきて、ここ10年くらいのうちにバイリンガルや語学教育に関する取材を受けることが多くなってきました。とはいっても、早期バイリンガル教育については、子供が二つの言語を混ぜるとか、フランス語習得に弊害があるといった偏見がまだあります。とくに、保育士、教師、言語心理学者といった保育・教育関係者にそういう考え方が根強いのです。また、英語をはじめとする欧州の主要言語や日本語に関しては、バイリンガルへの理解が進んでいる一方で、アラビア語やトルコ語といった経済移民の言語に関しては、フランス語の習得やフランスへの同化を妨げるものとしてバイリンガルを疑問視する向きが多い。本来なら、親の母国語は親の持つ文化を子に伝えるという意味で、同じ価値を持っているはずですけどね。