ベルギーの名物料理に、サクランボ風味のビール、クリックKriekでトリ肉を煮込むものがある。これがなかなかうまい。トリ肉のかわりにウサギ肉の時もある。今回はトリ肉をソテーしてからサクランボを加えておいしいソースに、という趣向だ。
サクランボは面倒でも、専用の種とり器dénoyauteurを使ったり、ペティナイフで二つに割ったりして種をとり除く。その時に少しくらい形が悪くなったからといって、しばらく煮込んでソースにするのだから、あまり気にしないことにしよう。チキンは、もも肉2、胸肉2、胸肉を少し付けた手羽肉2と六つに切り分ける。ここで塩、コショウ。
ココット鍋にバターを大さじ3杯とり、トリを入れてソテーする。軽く焼き色がついてきたら、火を弱くし、フタをして30分ほど蒸し煮していく。これでチキンには十分火が通るはずだ。もしサクランボの蒸留酒キルシュkirschがあったりしたら、全体に振りかけてフランベすれば、さらに香りがよくなる。でもヤケドしないように気をつけてください。
トリ肉をとり出し、熱々の皿にとってアルミホイルで覆ったり、弱火のオーブンに入れたりして、冷めないようにしておく。
ココットに残っている煮汁の中にサクランボを入れる。バニラ風味砂糖1袋か普通の砂糖少々を振りかけ、かき混ぜながら10分ほど煮ていく。最後に生クリームを加えて混ぜ合わせ、塩、コショウで味を調えればでき上がり。トリをそれぞれの皿に盛り付け、サクランボのソースを、サクランボの身ごとかければでき上がりだ。甘酸っぱいサクランボの風味が、淡白な風味のトリ肉によく合うこと! 付け合わせはタリアテッレのようなパスタかマッシュポテトがいいだろう。ピラフも合う。
飲み物は、サンセールの白でも、シノンの赤でもいいなあ。クリックビールにする手もあるだろう。(真)
- 4人前:トリ肉1羽分、サクランボ400グラム、生クリームcrème épaisse大さじ3杯、バター、バニラ風味砂糖1袋、キルシュ酒少々、塩、コショウ