サルコジ大統領が議長を務める原子力政策評議会は2月21日、原子力エネルギー戦略委員会の創設を決定し、その副会長にアンリ・プログリオフランス電力公
社(EDF)総裁を任命した(会長はベッソン産業相)。同戦略委員会はフランスの原子力企業を結集し、原子力技術の輸出を振興するための組織であり、フラ
ンス原子力業界のリーダーがEDFであることを明示したことになる。
また、21日の会議では、アレヴァが三菱重工とともに開発する第3世代中型
原子炉「Atmea1」でアレヴァ、EDF、GDFスエズ各社の協力体制の強化が求められた。しかし、一方では膨大な原子力発電の需要をかかえる中国との
パートナーシップを推進していく方針を明らかにし、EDFが中国の広東核電集団(CGNPC)とともに第3世代中型炉の開発を進めることを公認。つまり、
中国市場戦略ではアレヴァは枠外に置かれるということだ。この点でも、EDFの優位が再確認されたような形になったわけだが、いずれも国が大株主であるフ
ランス原子力業界の大黒柱であるEDF、アレヴァ、GDFスエズの3社の結束を強化したいのが政府の意向だろう。(し)