1月30日、スウェーデンで開催されていたハンドボール世界男子選手権決勝で、フランス代表はデンマークを37-35で破って優勝。五輪、世界選手権、欧州選手権に続く4連覇!
●18歳女性殺害事件、再犯監視ずさん?
フランス西部ポルニックで1月18日から行方不明になっていたレティシアさん(18)の遺体の一部が2月1日、沼から発見された。18日に被害者といっ
しょにいたところを目撃されたトニー・メオン容疑者(31)が20日に逮捕され、バイクに乗った被害者を交通事故で死なせたことを自供した後は黙秘を続け
ている。同容疑者は強姦罪などで服役し、2010年2月に出所。性犯罪者として司法監視が義務付けられていたが、人員不足のため実行されなかった。しかも
昨年12月に元恋人からの脅迫の訴えがあったにもかかわらず、警察は容疑者を逮捕していなかったことが発覚し、警察や司法機関への批判の声が上がってい
る。
●大統領発言に怒り、司法官がスト
レティシアさん殺害事件に関する、サルコジ大統領の司法批判発言に怒った司法官のストが広がって
いる。まず、同事件を担当するナント市の司法官が2月3日にストを開始。4日には司法官組合が急を要さない公判はすべて延期するよう呼びかけた。7日には
ストがマルセイユ、ニースなどに飛び火し、8日には全国195の大審裁判所と控訴院のうち115カ所に拡大。大統領は3日、レティシアさん事件で性犯罪者
の出所後の監視に問題があったとし、司法関係者に対して懲罰もありうると発言した。司法官組合は人員・予算不足は国の責任と反発している。
●アリオ=マリ外相にまた非難噴出
チュニジアへの対応や失言で、野党やマスコミの槍玉に上がったアリオ=マリ外相が、再び批判の的になっている。2月2日付カナール・アンシェネ紙は、外相
が昨年12月末にチュニジアにバカンスで行き、ベンアリ=チュニジア前大統領と親しい実業家のジェット機を使用したと暴露した。外相は、その実業家は大統
領の側近ではない、バカンス中は大臣は私人である、などと弁明して野党の猛反発を受けた。さらに、9日付同紙は、フィヨン首相が年末の休暇にムバラク=エ
ジプト大統領から無料で提供された飛行機やホテルを使用したと報道。当時エジプトで騒乱は起きていなかったものの、閣僚の休暇中の行動の倫理問題に発展。
これを受けて大統領府は9日、外国要人の招待による閣僚の休暇は今後、首相の許可を得ることとするという声明を出した。
●メディアトール問題でAfssaps局長辞任
メディアトール問題で福祉問題監査総局(IGAS)から厳しく批判された保健安全医薬品局(Afssaps)のジャン・マランベール局長が辞任したこと
が、2月4日付官報に掲載された。糖尿病薬メディアトールの服用によって500〜2000人が死亡したとされる問題では、1月15日に報告書を公表した
IGASが、医薬品認可を行うAfssapsが医療関係者の警告を無視し同薬を認可し続けたと厳しく批判した。さらに、ベルトラン保健相も同日、
Afssapsを批判し、局長交替を明言していた。マランベール局長はメディアトール問題に関する責任の一端を認めながらも、Afssapsへの批判を不
当としていた。
●フランス初、治療のための赤ちゃん誕生
パリ南郊外クラマール市アントワーヌ・ベクレール病院は2月7日、遺伝病治療を
目的とした受精卵選択によってフランス最初の男児が生まれたことを公表した。この男児の兄姉は、遺伝子異常により赤血球が作られないベータ・サラセミアと
いう難病にかかっており、その治療には健常で移植可能なへその緒から採取した造血幹細胞の移植が必要だ。そのため、人工授精で得られた受精卵のうち、遺伝
子異常がなく、兄姉に移植可能な遺伝子を持つものが選ばれ、男児が生まれた。2006年から施行された生命倫理法(2004年成立)によって、こうした治
療が可能になった。