ボクらが通い詰めたワインバー〈Le Coin de Verre〉(2年前に閉店)の名物料理は、アンドゥイエットだった。ご主人のユーグさんは「これは、ドランシーのシモン・デュヴァルさんが作っているもの。数少ない5A公認の一つだけれど、その中でも逸品中の逸品」5AというのはAssociation Amicale des Amateurs d’Andouillette Authentiqueで、〈本物アンドゥイエット愛好家友好協会〉ということ。その伝説的アンドゥイエットを求めて、パリ郊外ドランシーまで出かけた。シモンさんは引退、お店も閉まったが、今は、息子のベルトランさんが市場に店を出している。
「衛生基準に関する法律が厳しくなって店舗を保つことがむずかしくなった。今はパリ郊外のモランジスで製造し、週三日この市場で販売。パリのいくつかのビストロに配達していますが、小売店には卸していません」とベルトランさん。
Au Cochon Bleu : Marché des quatre routes
av. Henri Barbusse, Drancy
「アンドゥイエットに使われる腸は、熱湯で洗った後、丹念に丹念に脂をとり除く。これをひも状に細長く切ってから、
細ひもで結んで束にし、パセリやペッパーなどを混ぜ入れ、そのひもを引っ張りながら、腸に詰めていく、という伝統的なやり方を守っている。切り口を見ると、ヒモ状の腸が束になっている様子がよく見える。これをクール・ブイヨンで8時間くらい煮込んででき上がりです」。アンドゥイエットは一つ240グラムくらい(キロ28€)。(麻)