アリストパネスの戯曲『鳥』

●Les Oiseaux

 演出家アルフレド・アリアスといえば、彼の出身地であるアルゼンチンのタンゴに代表される音楽、そしてキャバレーのようなどこか親密できらびやかな世界を常に舞台に盛り込んできた演出家という印象がある。私にとってのアリアスには、彼が何度も演出を手がける同郷出身の劇作家コピの戯曲が描く「混沌」、「馬鹿馬鹿しいほどの不条理」、「あらがうことのできない人間の欲求」、「大人になれない大人」というようなイメージがつきまとう。
 アリストパネスの戯曲『鳥』では、カッコウたちが雲の上の「カッコウの国へ」哲学者ソクラテスを招く、そのやりとりが喜劇として描かれているのだというが(筆者は原作を読んでいません、失礼)、アリアス版では、コメディー・フランセーズ劇場前のコレット広場に迷い込んだ二羽の鳥が、「鳥の役者」たちが生きるための理想の国を築くために模索していくさまが描かれていく。時は現代に設定されているので、愚かな指導者や権力者が圧力をかけてきたり、理想の国の噂を聞いてあちこちから避難してくる「移民」たちを審査したり…と現在のフランス社会への風刺もそこかしこに見え隠れしている。私は何よりもアリアスの演出のには、歌あり踊りあり、そして大仰な演出や衣装など、アリアス節ともいえる不変のエンターテイメントがあることに安心する。アリストパネスの時代、つまり紀元前5世紀の演劇にも、音楽、舞踏、歌、そして集団による動きが多く盛り込まれていたそうだ。するとアリアスは古代にも現代にも通用する演出家だということなのだろうか。(海)
11月8日、11日、14日、23日、26日、
30日、12月10日、15日。12?-39?。

Comédie Française-Salle Richelieu :
Place Colette 1er 08.2510.1680
www.comedie-française.fr


 

パスワードをお忘れの場合、OVNINAVI.COMに登録したE-mailアドレスにパスワードをお送りします。登録E-mailアドレスを入力してください。


戻る