仏政財界の大物を相手にエルフ疑惑で辣腕をふるった強面の予審判事というイメージの強いエヴァ・ジョリ氏(66)が、政界に進出して時をおかず大統領選挙候補になろうとしている。
2009年の欧州議会選挙で16%とほぼ社会党と並ぶ得票率を獲得した「欧州エコロジー」でイル・ド・フランス地方圏(得票率21%)の2番手としてすい星のように政界に登場した。現在進行中の欧州エコロジーと緑の党との合併交渉のなかでカギを握る人物になっている。
オスロ生まれのノルウェー人。18歳の時オペール (fille au pair) として来仏し、パスカル・ジョリ氏と結婚して仏国籍を取得し、2児をもうける。38歳で司法官になり、1981年にオルレアンの検事代理、90年にはパリ控訴院付の経済犯罪担当予審判事に就任。エルフ疑惑を担当し、ルフロック=プリジャン元エルフ会長を逮捕。関連疑惑でデュマ憲法評議会議長を取り調べ、辞任に追いやるなど有能ぶりをみせた。
2001年から一時ノルウェーに戻って経済犯罪の同国政府顧問を務めた後、07年ごろから仏中道派に接近。しかし、バイルー氏の誘いを断って08年にコンベンディット氏の欧州エコロジーに参加。09年の欧州議会議員選挙に当選する。
デュフロ緑の党党首 (35) が大統領選に興味を示さないと明言していることもあり、欧州エコロジーと緑の党の合併が実現すれば、ジョリ氏の大統領選出馬はますます可能性大になりそう。(し)
