●〈アペロ・ジェアン〉、中止の動き
5月13日未明、ナントで〈アペロ・ジェアン〉(大規模な野外持ち寄りパーティー)に参加した21歳の若者が酔っ払って橋の欄干に上り、転落して死亡した事故を受け、こうしたイベントを禁止する動きが出ている。〈アペロ・ジェアン〉はフェイスブックなどによって参加を呼びかけ、ナントでは約9千人が参加するなど各地で大盛況。この事故以降、15日に予定されていたアヌシーなど2都市のアペロが県庁によって禁止されたほか、パリのシャン・ド・マルスで23日に予定されていたアペロも警察が禁止に踏み切った。オルトフ内相は19日、アペロ・ジェアンの開催を禁止はしないが、開催者が事前に警察と協力して治安対策を取るべきだとの姿勢を示した。
●イランからクロチルドさん、帰国
2009年7月にイランの反政府デモに関する情報を収集したとしてスパイ容疑で拘束されていたフランス人大学講師クロチルド・レースさん(24)が5月16日に帰国。レースさんはイランで28万5千ドルの罰金刑に減刑され、帰国が可能に。これと前後して、5日に違法な軍事電子製品を購入したとしてフランスに勾留中のイラン人技師の米国への引渡しを拒否し本国送還したこと、さらに18日、王政時代のバクチアル=イラン元首相の暗殺犯として18年間フランスに収監され、仮釈放を待っていたアリ・ヴァキリ・ラッドの本国送還手続きがとられたことが、レースさん解放の交換条件だったのではとみられているが、政府は否定。
●麻酔看護師がデモで線路を占拠
5月18日、地位向上を求めてパリのダンフェール・ロシュロー広場でデモをしていた約2500人の麻酔看護師が、バシュロ保健相の面会拒否を受け、モンパルナス駅の線路を13時から数時間にわたって占拠。麻酔看護師は麻酔医を補助する看護師で5年間の高等教育(Bac+5)が必要だが、その学業修了証はBac+5として認可されていない。保健相は19日、年内にBac+5と認可し、それに伴う賃上げを行うと約束した。18日は全国95%の麻酔看護師がストライキを行い、多数の手術が延期されたほか、線路の占拠により超高速列車(TGV)60本と地方急行列車100本に影響が出た。
●〈顔をおおうスカーフ〉禁止法、閣議提出
政府は5月19日、目以外の顔をおおう女性イスラム教徒のスカーフの着用を禁止する法案を閣議に提出。公道を含む公共の場で顔をおおうことを禁止し(警察や2輪車のヘルメット、カーニバル衣装などは例外)、違反者には罰金150ユーロと「市民権研修」の受講を義務づけ、同スカーフ着用を教唆(きょうさ)した者には最高1年の禁固刑と1万5千ユーロの罰金が科されるという内容。処罰の適用は法施行の6カ月後。7月に国民議会に提出、9月半ばに採決がとられる予定。違反があった場合、女性にスカーフを外させる際に小競り合いが発生する恐れがあり、法の適用には困難が伴うと警官組合は懸念。
●ピカソなど5点が美術館から盗まれる
5月19日から20日にかけての深夜、パリ市立近代美術館から、絵画5点が盗まれた(総額1億ユーロ、警察によると5億ユーロ)。盗難に遭ったのはピカソの『鳩と小さなえんどう豆』、マチスの『田園風景』、ブラックの『エスタックの近くのオリーブの木』、モディリアーニの『扇を持つ女』、レジェの『燭台のある静物』。警報装置は2カ月前から故障していた。
●パリ郊外で銃撃戦、女性市警官死亡
5月20日朝、パリ郊外ヴィリエ・シュル・マルヌで市警察の検問を振り切って逃走した小型トラックに乗っていた6?7人の男性が、追跡する警官に向かって自動小銃などで乱射し、女性警官(26)が死亡、近くを走行していた一般ドライバーや警官2人など計5人が負傷した。犯人らは小型トラックを乗り捨てて放火し、別の車でサンドニ方面に逃走した。銃撃戦の現場近くにいた男性1人が同日逮捕されたほか、採取された指紋や防犯カメラから3人の男性の身元が確認された。内務省によると、犯人グループは現金輸送車か現金引出し機を襲撃する予定だったとみられ、焼け残ったトラックから爆弾が見つかった。
●トゥールーズ、ラグビー欧州チャンピオンに
5月23日付パリジャン紙。
5月22日、スタッド・ド・フランスで行われたラグビー欧州カップで、トゥールーズチームはビアリッツを接戦の末21-19で破って、4度目のチャンピオンに。