港に島に、大西洋で海を満喫!
「大西洋岸で最も美しいフランスの港町」、ならば港を満喫しよう。サン・ニコラ塔とシェーヌ塔の2つを正面に、または大時計門を向かいに、どこから見ても絵になる旧港-1-は絶対にぐるりと一周して見て回るべき。すぐ隣に建ち並ぶカラフルな家々は昔の漁師たちの家を再現したもので、1階はレストランが連なり、港を望むテラス席はバカンスムードに溢れている-2-。
そのガビュ地区を抜けると姿を現す2隻の船が海洋博物館-3-だ。1985年まで気象観測に使用されていたフリゲート艦〈フランスI号〉と、1969年のトロール船〈アングーモワ号〉。航海中の生活がうかがえる当時のままの船内や、荒々しいトロール漁の様子を伝えるドキュメンタリー映像に加え、世界一周を果たした冒険家でヨット愛好家たちの崇拝する、ベルナール・モワテシエの波乱万丈の生涯と、彼が成功した壮大な航程を追うことができて一見の価値あり。
時に容赦ない海の厳しさ、それにも負けない大洋への情熱に感化されたら、ヴァラン広場で自転車をレンタルして海岸通りへ繰り出そう。旧港を西へ進み、カジノを過ぎた辺りからは海沿いの遊歩道が果てしなく延びていて、海を感じられる絶好のサイクリングロードだ-4-。潮風に吹かれ、気の向くままに走らせたい。
旧港に戻り、今度は海上バスに乗って対岸の〈Les Minimes〉へ。ヨーロッパ一番の大きさと、3600隻の係留場を誇るヨットハーバーだ-5-。その大きさは想像を絶する規模で、港の入り口である灯台を通過してから停泊するまでの距離の長さには驚かされるばかり。毎年この港で世界一の人気を誇る洋上見本市〈Le Grand Pavois〉が催され、海を愛する人々や業界の権威的な存在となっている。ビーチは航海技術を学びに来ている学生たちで賑わい、隣接する高台のペール公園からは水平線に沈む夕日が美しい。
翌日はレ島Ile de Réへエクスカーション。ラ・ロシェル市内からバスで約30分、地元っ子たちにとっては天気のいい週末にひょいと行けちゃう気軽な島。大きく弧を描くレ橋を渡り終えるや否や、島特有のゆったりした雰囲気が漂う。いくつかの村を越える道中、昔この島の生活の足であったロバを見かけることができる。島で一番大きな村、サン・マルタン・ド・レの港-6-は賑やかで、びっしり並ぶ洗練されたレストランとお洒落なブティックの数々にはびっくり。それもそのはず、ここは別名「大西洋のサントロペ」なのだ。港に面する〈Le Skipper〉で濃厚な魚のスープと新鮮なイワシのグリルを堪能-7-した後は村を散策-8-。初夏には白壁の家々を無数の立葵が彩り、愛らしい風景が人々を幸福にする。
ラ・ロシェルと近在の島に来たら誰もがリピーターになるというのも納得。本当に、また何度でも来たいと思わせる魅力がここにはある。(み)
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