Laurence (50)/Pierre (50) 「コーヒー? 紅茶?」と 毎朝携帯メール。

 「僕は彼女より先に逝くから、彼女と娘たちに遺産を残しておきたかった」これがプロポーズの動機だ。『ゴー・ミヨ』のワイン部門編集長ピエールさんと、小児精神科医養成所の講師ローランスさん。互いを「ピエロ」、「ロロット」と呼びあい、握った手を片時も離さない。
 2003年4月、彼女の友人が催したブランチの席で出会った。両脇にダンボール2箱分のワインを抱えて登場したピエールさん。だが当時の彼女は全くの下戸。「あの席ではじめてテイスティングを見たの。オレンジジュースだって種類やグラスによって味が変わることを知ったわ」。一瞬にして「この人だ!」と直感したピエールさんに対し、「誰かを好きになったり、誰かから愛されたくもなかった」とローランスさん。そんな彼女を笑い飛ばす彼。「何が怖いの?  一杯飲むだけじゃないか」。彼女は長年のパートナーと別れて2年が過ぎていた。2人の娘と暮らしながら、女友だちと出かけたり、サルサ教室に通ったり、独身生活に慣れてきたばかり。翌月、彼女は娘を連れブレストへ休暇にでる。彼もブレストから15分の友人宅へ向ったが、会うことはなしに毎朝、起きがけに「コーヒー? それとも紅茶?」と携帯メールを送信。まるで隣にいるかのように。パリに戻ってからもこの習慣は続いた。
 夏が終わりを告げるころ、ピエールさんは彼女の住まいに迎えられる。当時、17歳と12歳の娘、老犬との共同生活に支障はなかったのだろうか?「僕は一度も父親になろうと思ったことはないよ」。新しい父としてではなく、別のスタンスで向き合うのがよかった。あくまでも自然に。
 昨年7月、互いに初の結婚に踏みきる。「私は昔から結婚が怖かったけれど、してみれば何も変わらなかったわ」と彼女。新婚旅行には娘同伴。ところで二人には共通点がある。ピエールさんはユダヤ系でローランスさんはカトリック系だが、ともに先祖はピエ・ノワール(アルジェリアからの引き揚げ者)。お互い自慢のクスクスの味は違うが、同じ地中海のルーツが、あ・うんの呼吸を生んでいる。(咲)

これから相手に期待したいことは?
「私の愛する人でい続けてほしい」(ロ) 「二人で穏やかな老後を過ごしたい。早く自由になりたいよ」(ピ)

前回のバカンスは? 
「昨年の8月、インドのラジャスタン州からベナレスへの新婚旅行。彼女の娘たちと結束の旅でもあるんだ」(ピ)

夢のバカンスは?
「ブルターニュに恋しているの。嫌いな飛行機に乗らなくてもいいし」(ロ) 「バリ島。空気が優しく、人が親切で、活気に溢れていた。でも、ずいぶん変わったんだろうなぁ」(ピ)

最近、二人で観にいった映画は?
「ジョージ・クルーニー主演のLes Chèvres du Pentagone。でも内容はすっかり忘れちゃったわ」(ロ)

お気に入りのレストランは?
アンファン・ルージュ市場のクスクス屋さん(39 rue de Bretagne 3e) 「この屋台の雰囲気がいいの」(ロ)

カップルとしての満足度を5つ星でいうと?
★★★★★★「彼女は素晴らしすぎるんだ! いつもじゃないけど」(ピ) ★★★★★「新婚だからよ」(ロ)


パリブレストは二人の関係を決定づけた甘い象徴。