パリでは〈Vin naturel ナチュラルワイン〉を売りものにするワインバーやワイン屋が増えている。またスーパーなどには〈AB〉ラベルの付いた〈Vin Bio オーガニックワイン〉が並んでいる。ナチュラルワインとオーガニックワインに違いはあるのだろうか。
〈Vin Bio〉として認められるためには、化学肥料や農薬などを一切使わずに栽培されたブドウを原料にしなければならない。そこでDomaine La Paonnerie のブドウ畑のうねとうねの間はどうしても雑草畑のようになる。「春になると雑草とりがいちばん大変だ」とジャックさん。ところが、〈Vin Bio〉には、ブドウが実ってからワインになるまでの過程に少しも規制がないのだ! 機械を使って収穫しようが、アルコール度を上げるために糖分を加えようが、熟成を助けたり酸化を防止する添加物を加えようが〈Vin Bio〉のラベルには関係ない。そこで「オーガニックワインなのにおいしくないな」という結果にもなってしまう。
その一方、ナチュラルワインは収穫後、添加物は加えず、ブドウが持っている酵素だけで熟成し、時にはこすこともせずにナチュラルに造られたワインのこと。現在のところ明確な基準は決められていないので、〈Vin naturel〉という認証ラベルは存在しない。そこで、おいしいといっても、有機栽培ではないブドウが原料ということもあるのだ。Domaine La Paonnerie のブドウは有機栽培で、熟成過程でもナチュラルに造られているけれど、最後にワインを安定させるためにわずかだけ硝酸塩を加えるので、こちこちのナチュラルワイン信奉者は「これはナチュラルワインではない」と主張することになる。(真)
♥エスパス・ジャポンでワイン試飲会
オヴニーのスタッフがヴァンダンジュに出かけたDomaine La Paonnerieのワインを試飲してみよう。ガメー種の赤の新酒Coteaux d’Ancenis、海の幸に最適な辛口の白Muscadet、カベルネ種のこくのある赤Anjou Village、100年以上経つシュナン種から造られるPineauなど…。
販売もあり。
12月3日(木)17時から。
Espace Japon : 12 rue de Nancy 10e 01.4700.7747