「芸術家を弁護するというのが文化相の役割だ。フランス国籍を持つ偉大な芸術家、ロマン・ポランスキーは、フランスの文化相から当然支持されるべきである」
ロマン・ポランスキー監督がスイスで逮捕された直後、多くの映画人や文化人が同監督の釈放を求める発言。6月に任命されたフレデリック・ミッテラン文化相(故フランソワ・ミッテラン大統領の甥)も以上のような発言をしてポランスキー監督を支持した。10月5日、テレビのFrance 2で、極右、国民戦線党の幹部マリーヌ・ルペン氏は、ミッテラン文化相を糾弾。
「ミッテラン文化相は2005年に『La Mauvaise vie』を出版しているが、その中で詳細にわたって、タイにセックス観光に出かけ、少年たちを買ってどんなに快楽を得たかを書いている。少年たちのひどい状況を知りながらも。(…)文化相を辞任すべきだ」
この発言に歩調を合わせるかのごとく、社会党のブノワ・アモン氏やアルノー・モントブール氏も辞任を要求した。切羽詰まったミッテラン文化相は、10月8日、TF1で反論し辞任の意志がないことを表明した。
「みなさんもご存知のように、私は男性と性的関係を持ったことはあるが、未成年者とは一度もない。あの本ではセックス観光や少年性愛を決して賛美していない。少年性愛は糾弾すべきことである。(…)私は間違ったことをしたかもしれないが、犯罪や過失は犯していない」