Loulou de Bastille — 心のこもった料理、ナチュラルワイン…。

 主人のジャン・ポール(JP)さんとは仲がいい。ボク同様ナチュラルワインのファンだけれど、少しも押しつけがましいところがないのがいい。この店、12年前にもオヴニーで紹介したことがあるけれど、料理にかける心意気はちっとも変わっていない。
 ここに来ると、飲みたいワインを選び、それを味わいながら黒板メニューをながめ、「あまり重くなく、かといって表立ってフルーティではなく、どこかペッパー風味の赤…」と言ったら、しばらく考えて持ってきてくれたのが〈Simonutty〉というトゥーレーヌ地方のガメー種の赤(19.5€)。口に含むと、うっとり「ナイスチョイス!」
 そこで、メインは、友人は「昔風」とことわってある子牛のブランケット(19.5€)、ボクは本格的なフォン・ド・ヴォーを使ったソース付きのランプステーキにも心を引かれたが、タルタルステーキ(19.5€)にした。前菜(5.8€~7€)はというと、旅好きのJPさんならではの、ハーブやスパイスの広い知識が感じられる傑作ぞろい。ヤギ乳のフレッシュチーズを使ったアネット風味のザジキ、上等のオリーブ油だけで練り上げたタラマ、クミンの香りが決め手のナスのキャビア…おすすめは松の実、バジリコ、バルサミコ酢がシンフォニーを奏でるレンズ豆のキャビア、そして特製フォワグラ(11€)。
 ブランケットは、凝縮されたもったりとしたソースがなつかしい味。タルタルは「aux germes」とことわってあるように、JPさんが発芽させた黒大根の種の細いもやしがたっぷりと混ぜ込んである。その黒大根の芽は、大根になってからよりも辛さがあり、手刻みのタルタルの味を引き立てている。メインでは、フランベしたクルマエビが入ったチキンのカレーや、マンゴー風味のカモの胸肉も見逃せない。
 言い忘れてしまったけれど、ここのパンは、JPさんが毎日のように焼いている自家製で~す。(真)
11 rue Richard Lenoir 11e  01.4009.0331 M° Charonne
水木金土の夜のみです。予約した方が無難。