●イエメン航空エアバス機が墜落
6月30日未明(仏時間23時50分)、国営イエメン航空のエアバス310型機がインド洋のコモロ諸島沖に墜落した。乗員・乗客153人のうち66人はフランス人。パリやマルセイユから搭乗し、イエメンのサヌアで同機に乗り換えてコモロに着陸する直前だった。奇跡的に救出されたマルセイユ在住の12歳の少女以外の生存は絶望とみられる。初飛行から19年経つ同機は、2007年に欧州連合(EU)航空当局の検査で不具合が指摘されて以来、EU域内での飛行を禁止されていた。マルセイユのコモロ人コミュニティーは「ごみ飛行機」を使うイエメン航空の路線閉鎖と航空券の払い戻しを求めてボイコット運動を展開。イエメン航空は7月2日、マルセイユ=サヌア路線を当分の間閉鎖すると決めた。
●カラチのテロは手数料がらみの報復?
6月末にフランスメディアが報じたところによると、2002年5月にパキスタンのカラチでのフランス人を標的にした自爆テロは、両国間の原子力潜水艦売買の手数料にからむ報復であり、バラデュール元首相が関与している可能性が指摘されている。このテロではフランス国防省海軍建設局DCNに所属していたフランス人技術者11人が死亡。両国の捜査当局はアルカイダ系組織のテロとしていたが、1994年の潜水艦売買に伴う手数料支払いを停止した仏政府への報復だった疑いが浮上。手数料の一部は当時のバラデュール首相に払い戻され、大統領選費用に充てられたと、国土監視局DSTの元職員が証言した。
●修道士を殺害したのはアルジェリア軍?
7月初めにフランス各紙が報じたところによると、1996年3月にアルジェリアで7人のフランス人修道士を殺害したのはアルジェリア軍である可能性が高い。軍関係の職にあったフランス人が6月25日に同件担当の予審判事に届け出た証言によると、修道士誘拐劇は、アルジェリア軍部内のあるグループが武装イスラム集団GIAへの非難の声を高めるべく画策。ところが、軍のヘリコプターが修道士と誘拐犯を掃射攻撃して死亡させたため、軍は死因を隠すために頭部を切り離して発見させ、GIAの仕業に見せかけた(頭部以外は未発見)。証言によると、フランス政府は事実を知っていた。サルコジ大統領は7日、真相究明のために同件に関する文書の国家機密を解除する用意があると発言した。
●ツール・ド・フランス、4日にスタート
自転車ロードレース、第96回ツール・ド・フランスは、7月4日にモナコで開幕。モナコから地中海沿岸を通ってバルセロナに、その後ピレネー山脈を抜け、飛行機でリモージュに移動し、中部を横断してコルマールへ。アルプス山脈を南下して南アルプスから電車でロワレ県モントローに移動して、26日にパリでゴールする。日本人選手も13年ぶりに2人参加し、健闘している。
●エナン=ボーモン市議会選挙、FN敗れる
7月6日付リベラシオン紙の表紙。
写真は国民戦線党のマリーヌ・ルペン。
7月5日、エナン=ボーモン(パ・ド・カレー県)市議会議員選挙の決戦投票で、ダニエル・デュケンヌ氏率いる左派系の共和国同盟が52.38%の得票率で極右の国民戦線党FN(47.62%)を退けた。この選挙は社会党前市長が公金横領罪で4月に逮捕され、罷免されたために行われた。第1回投票では、マリーヌ・ルペンFN副党主が次席につきFNが39%の得票率で、共和国同盟(20%)、社会党(17%)を押えてトップに。決戦投票では、FN市政阻止のために、大衆運動連合UMPと左派小党が共和国同盟支持に回った。
●左右の元首相を国債委員会のトップに
サルコジ大統領は7月6日、UMPのアラン・ジュペ元首相と社会党のミシェル・ロカール元首相を、国債委員会の共同委員長に任命したと明らかにした。同委員会は、大統領が6月22日に両院合同議会で発表した新規国債について、その用途の優先順位を検討し、11月1日までに答申するのが役目。この任命で大統領は「開かれた政治」をさらに強調した形だ。