昨年大ヒットしたフランス映画『Bienvenue chez les Ch’tis』で、ダニー・ブーン演じるアントワーヌがプチ・デジュネにこのマロワルをパンにたっぷり塗って食べていて、居候していたアブラハム氏の度肝を抜くシーンがありましたね。ノール県を代表するチーズといえば、何といっても牛乳を原料としたウォッシュタイプのマロワルで、これから冬にかけておいしいチーズだ。10世紀ごろからマロワル村の修道院で作られていたというから1000年以上の歴史を持つチーズ。2カ月から4カ月かけて熟成され、塩水、あるいはところによってはビールで洗われた表面はつやつやとした美しいオレンジ色。ちょっと身を引きたくなるような臭いがあり、味もチーズの初心者にはきついかもしれないが、慣れると病みつきになってしまう。アンモニア臭の強いものは避けること。
ワインはコクのあるコット・デュ・ローヌの銘酒かな。地元の人 は、黒ビールやジンで味わったりもする。(真)
写真: 友人が送ってくれた絵ハガキ。
パン生地の上に薄く切ったマロワルを並べ、コショウを振ってから、オーブンで30分ほど焼く、と北国のピッツァflamiche au Maroilles。