「近所にウイグル料理店ができた」と友人に誘われた。中国の西端、ウイグル自治区の料理といえば、手延べ麺! 麺に子羊肉と野菜のトマト風味の汁をかけた〈ラグマン(Laghman: 写真)〉が伝統的な主食だそう。
友人は昼の10.8€コースから、餃子と若鶏のコルマを、私はどうしても食べてみたかったラグマン(11.9€)と、蒸しナスのショウガとニンニク風味(6€)を注文。加えて〈カワプ〉という子羊肉の串焼き(1.5€)2本と中国茶(1.5€)も頼む。
蒸しナスは、たくさん盛られたニンニクとショウガの匂いも味もきつくなく、黒酢のまろやかな酸味と合わせて爽やか。餃子は大振りのが3つもあってボリュームたっぷり。子羊肉入りだから、おおらかな大地をイメージさせる野性味がある。
ラグマンがやってきた。串焼きと同じように、ラグマンにもグリルで焼いたと思われる芳ばしい子羊肉が入っていてすこぶる美味。野菜もセロリやピーマン、白菜、タマネギとたっぷり入っているし、全体がやさしいトマト風味なので、初めて食べたと思えない、懐かしさすら感じるやさしい味だ。ウドン状の麺も、シコッとした歯ごたえがたまらない。友人のコルマも味見させてもらったが、こちらは豪快にジャガイモがはいった鶏の煮物風。ショウガやウイキョウ、コショウの粒やフェンネルシード、丁字や唐辛子など数々のスパイスが見え隠れしているが、味はじつにまろやか。鶏もあらかじめマリネにされているのか、味わい深く、とても気に入った。
デザートにはクルミのケーキ(5€)を半分こ。本当は隣のテーブルのカップルが食べていたものが食べたかったのだが、店員さんによると、それは〈チュッチュレ〉というワンタンスープで、ウイグルの人たちは、デザートがわりにも食べるのだとか。近いうちに、これと肉と野菜の炊き込みご飯〈ピロ〉も試したいなぁ。(里)
Tarim
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アクセス : M°Parmentier
土昼・月休。