直接税課税率制限で議論が再燃。

 サルコジ大統領が2007年夏、所得税、富裕税など直接税の課税率の上限〈bouclier fiscal〉を60%から50%に引き下げた減税策に対して、与党内から見直しの声が上がっている。2009年度予算案の国会審議で、ルネ・クアノ国民議会議員(民衆運動連合UMP)がこの上限規制を2009年度は保留する修正案を3月18日に出した。この不況時に富裕層の減税を行うのは、国民が抱いている不公平感を刺激するという理由だ。
 しかし、サルコジ大統領もヴルト予算相も税率上限を見直す意思がないことをすぐさま表明した。50%上限制度によって、2008年度は1550万ユーロ以上の資産を申告した834の納税者が一人当たり平均36万8000ユーロの税金払い戻しを受けた。この834人は上限制度の恩恵を受けた納税者のわずか6%にすぎないが、払い戻し額はこの制度によって国庫が払い戻す税金総額の3分の2を占める。財政赤字が拡大するなか、先の834人分だけで3億ユーロが国庫から出費されたわけだ。生活が苦しくなったと多くの国民が感じている時に、富裕層に税金を払い戻している場合ではないというのが庶民感情だろう。(し)