カリブ海に浮かぶ島、グアドループはフランス海外県の一つだが、1月中旬以来、島の物価高に抗議するストが続き、まひ状態になっている。2月4日付ルモンド紙のインタビューで、同県出身で、フランス代表に142回選ばれるという記録を持つ元サッカー選手リリアン・チュラムが、グアドループの住民が抱いている怒りを代弁している。
「2週間以上続いているこの運動に対する本土の反応は微々たるものだ。同じような危機状況が、フランスの他の地方で見られたらどんな騒動になるか想像してほしい。(…)この物価高に対する抗議は正当なものだ。というのも、公務員がグアドループやマルチニークに転勤されると、給料の40%にのぼる〈物価高vie ch俊e〉手当が支給されるのだから、政府自身がこの正当性を認めているようなものだ。(…)
島の経済を子細に見ると、富の大部分がベケと呼ばれる白人たち(奴隷を使っていた人たちとその子孫)に属していることがわかる。彼らはグアドループ人口の1%でしかないのに、経済の90%を牛耳っているのだ。たかだか160年前には奴隷たちをむち打っていたベケによる経済支配に、奴隷の子孫である黒人たちが未だに苦しんでいるという現実を、想像してみてほしい。(…)
人種差別問題を解決するためには、まず、ホモ・サピエンスという一つの人種しかないこと、そして私たちの祖先はすべて共通で、この人種はアフリカから来ているという、明解な事実を子供たちに教えることが大切だ」(訳:真)