バカンス明けの9月は、パリの街中に日に焼けた小麦色の肌が溢れ、「日焼けした肌がキレイ!」というのがサイコーのほめ言葉。10月になって日焼けも消えかけているけれど、今回はそんなフランス人の日焼け感を考察。
フランス人にとって日焼けは、立派にバカンスへ出かけていたという証拠、富の象徴、といわんばかりだ。海外の南の島などで太陽を浴びてきた人たちは、足や腕などの見えるところには焼きむらがほとんどなく、少し黒ツヤがでるように焼いている。これに対し、お金や時間をかけずに国内で山を歩いたり、近くの海や川などで泳いだりしていた人には、焼きむらがあったり、日焼けしていない箇所があったりする。
そして、この太陽を浴びた肌を、バカンス明けに、フランス人は友人同士で見せ合ったりするのだが、これって、見せ合っているのか、日焼けしていないところを探り合っているのか、すこーしビミョウ。日焼けしていない箇所を指摘されると、答えは決まって「ここ、皮がすでにむけて、日焼けが薄くなった」。日焼けをチ ェックする重要ポイントは、首の後ろと耳。とりわけ男性はこの部分の日焼けには気をつけているようだ。女性はというと、しゃがんだ時に見えるジーンズとTシャツの間の腰の部分が気になるようだ。
ヨーロッパは相変わらず「日焼け文化」なのかというと、その傾向は少しずつ、確実に変化しつつもある。顔の日焼けは絶対したくないというフランス人女性も近年増えつつあり、日焼けしているように見せるファンデ ーションを愛用しては、日焼け感を出そうとしているようだ。もちろん首や耳までちゃんと塗って。
日焼けの後、肌のケアに気をつけているフランス人女性はエステサロンへ通うが、驚くのは「せっかくの日焼けを」と美白エステをほとんどやらないのだ。日本人なら、日に焼けていなくても、美白エステやパックはこぞってやりたいと思うのに。(有)