「たった一つの計画しかない。それはエステルと結婚することだ。きょうだからこそ彼女に結婚を申し込みたい」
6月17日、サッカー欧州選手権でイタリアに破れた直後、フランスチームのドメネック監督の発言。エステル・ドニはテレビのサッカー番組の司会者。
87%
欧州評議会が「子供への罰として尻をたたくことに反対しよう!」というキャンペーンを始めたところだが、欧州家族連盟Union des familles en Europeがヨーロッパ人を対象に行った世論調査によると、子供への罰として尻をたたいたことがある人は87%にのぼる。また体罰を禁止することに反対の人が過半数を超えた。
21億ユーロ
パリ市の2007年度財政赤字は21億€で、社会党のベルトラン・ドラノエ現市長が就任した2001年度に比べると約50%増。パリ市民一人当たりの負債額は約1000€だが、リヨン市民の一人当たり2200€、リール市民の2500€、マルセイユ市民の3212€と比べると、まだまだ健全財政だということで、パリ市の住民税は据え置き。
3.3%
5月の物価は、原油や生鮮食品の値上がりが影響して前月比0.5%上昇し、この1年間の物価上昇率は3.3%。これだけ物価が上昇したのは、1991年以来のこと。この値上がりに対応して政府は、7月1日より最低賃金Smicを0.9%引き上げることを決定した。
DICO
●redevance(ルドゥヴァンス 名詞)
テレビ・ラジオの受信料は “redevance audiovisuelle” と呼ばれ、数年前から “taxe d’habitation(住民税)” と同時に払い込むシステムになった。2007年度の受信料は116ユーロで、27億ユーロが国の収入になった。公営テレビおよびラジオの予算の64%がこの受信料でまかなわれている。2004年度を例にとると、〈France 3〉に35%、〈France 2〉に27%が割り当てられている。
6月18日付パリジャン紙の表紙。
6月17日、スイスのチューリッヒでサッカー欧州選手権1次リーグC組の最終戦があり、イタリアとフランスが対戦。イタリアが2-0で快勝し、2敗1分けのフランスは(3試合で得点1、失点6)、1次リーグで姿を消すことになった。
●フランス軍、大規模な再編へ
サルコジ大統領は6月17日、軍の再編や装備の近代化について発表した。向こう6~7年間でロジスティック部門を中心に54,000の雇用を削減し、師団数と軍事基地を減らし、その分の予算を情報部と装備の近代化に充てる。装備費は2008年度で152億ユーロ、09年以降は年180億ユーロとなる予定で、戦闘機300機、フリゲート艦18隻、攻撃用原子力潜水艦6隻などを確保する。また、軍需産業の提携を含め、EU諸国との一層の軍事協力を進める。また、大統領は北大西洋条約機構NATOへの完全復帰について述べ、司令部への仏軍復帰によってNATOの欧州色を強めるとした。しかし、ドゴール将軍が唱えた、独自の核戦力保有、軍事介入への参加の決定権は保持する。
●EUのマグロ漁禁止令に抗議行動
6月13日、欧州委員会がマグロ漁の期間を通常より2週間短縮し、16日からの地中海および大西洋におけるマグロ漁禁止を決定したのを受け、地中海マグロ漁組合は17日、この決定に抗議するため禁止令を守らないよう組合員に呼びかけた。欧州委員会が各国に割り当てたマグロ漁のトン数をすでに達したために禁漁を早めたことに対し、フランス、イタリア、スペインなど関係国の漁業相は同委員会のトン数の計算に異議を唱えている。
●アイルランドの否決にEUは打開策模索
6月12日にアイルランドの国民投票でEUの新たな基本条約〈リスボン条約〉が否決されたことを受け、その対応について20日にEU首脳会議が開かれた。対応策は10月15日の首脳会議で改めて検討されることになり、当初の予定だったリスボン条約の来年1月発効は不可能になった。さらにチェコでは条約の合憲性についての憲法法院の判断を待っており、加盟国の批准作業が遅れている。7月1月から議長国となるフランスのサルコジ大統領は16日、アイルランドの否決に悲観的になる必要はないとし、同国の首相と協議して打開策を探ると述べた。
●ユダヤ人青年が暴行を受けて重体に
6月21日、パリ19区でユダヤ人少年(17)が少年グループに暴行を受け、意識不明の重体に陥ったが、その後意識は回復した。警察の調べによると、この地区では数週間以来、ユダヤ人と黒人の少年グループが対立しており、被害者の少年はキパ(帽子)をかぶった少年グループの中にいて襲われたもよう。事件後、14~17歳の少年5人が逮捕され、〈危険な状態にある人を助けなかった罪〉で即刻審理に付されたが、主犯は捕まっていない。
●ヴァンセンヌの不法移民収容所で火事
パリ郊外のヴァンセンヌにある不法移民収容所で6月22日、火災が発生し、ほぼ全焼。放火とみられている。この収容所は本国送還を待つ273人の不法滞在者を収容しており、国内でも最大規模の一つ。煙を吸った20人が入院し、14人が逃亡した。その他の収容者はパリやニーム、リールなどの収容所に移送された。警察によると、収容所では21日にチュニジア人収容者(41)が心臓マヒで死亡しており、それが引き金となって起きた暴動から放火に発展した可能性がある。外国人支援団体は、不法滞在者送還政策によって収容所の待遇が悪化したことに遠因があると政府を批判している。
●長期治療の払戻し率低下案に批判噴出
健康保険金庫組合は6月24日、長期療養が必要な病気の治療費払戻し率を現行の100%から35%に引き下げる案を発表し、批判が噴出している。この案は健康保険制度の赤字減らしの一環で、2009年度で20億ユーロの赤字削減を見込んでいる。社会党などの野党、医療関係者、患者団体などは「受け入れ難い」と猛反発。この騒ぎに、バシュロ保健相は、長期療養の治療費の払戻し率100%は維持すると発言した。