助監督として参加した作品の撮影現場を30年ぶりに『僕の先生』の監督、ニコラ・フィリベールが訪れる。ルネ・アリオの監督作品『Moi,
Pierre Rivière, ayant égorgé ma mère, ma sœur et mon frère』は、18世紀前半にノルマンディー地方で家族を惨殺したピエール・リヴィエールという青年の告白をもとにミシェル・フーコーが執筆した本(邦訳『ピエール・リヴィエールの犯罪-狂気と理性』)が映画化されたもの。アリオの映像と、フィリベールが訪ねていく人々の顔が重なり、互いを懐かしむ雰囲気と同時に「歳を重ねたな」と優しい思いやりが感じられる、そんな作品。(海)