Sur un air de tango


 舞台はたぶんブルターニュだろう。波打ち寄せる海辺の町でレストランを経営する男がいる。後片付けに忙しい男を深夜訪ねる老人がひとり、会話で男の父親だとわかる。幼子のようにわがままを通す父親をなだめながら、男の夜は更けていく。妻子が経済的に困らないように、と男は仕事、また仕事に明け暮れてきた。ところが何ひとつ不自由なく暮らしているはずの妻は、男の不在を嘆き男と別れる、と言う。自分の何がいけなかったのだろう? と悩む息子を黙って見守る父親の視線は優しい。結局妻と別れた息子に負担をかけまい、と父親は老人ホームでの生活を選び、時々気まぐれのようにホームを抜け出し息子を訪問する…。こうして父と息子の関係がゆっくりと綴られていく。喧嘩をしながらも、父の老いを案ずる息子に息子の幸せだけを願う父親、こうした親子関係はいずこも同じ、だから見るものの共感をさそう。
 イザベル・ド・トレドの脚本をアニック・ブランシェトーとジャン・ムーリエールが演出。父親役には、非の打ち所がないベテラン役者エチエンヌ・ビエリー、そして息子役のオリヴィエ・マーシャルは、渋い演技で「妻から捨てられた男」の苦悩を表現する。(海)
火 – 土/21h、土マチネ18h。
10e~30e。
Theatre de Poche Montparnasse :
75 bd du Montparnasse 6e 01.4548.9297

D A N C E
●Mathilde Monnier
 マチルド・モニエは問い続ける人である、もちろん舞台上の身体の交わりによって。そこでの動きは私たちの日常の所作から引き出されたものであり、これまでの仕事を通して「共存、友愛」への思いが見える。
 ”Frere et soeur” は、一つ屋根の下に育つ兄弟姉妹をテーマに、最も小さなコミュニティーであり、人々に共有の経験、記憶を思い起こさせる作品。
 ”La place du singe” では、作家クリスチーヌ・アンゴと二人、言葉と身体で、幼少期から疑問を抱き続けてきた 「ブルジョワジー、そこにあるのは幸せ? アート、そこでは何?」、紙一重にあるものを問う、二人の真摯なまなざしが見える。(珠)

*Frere et soeur:16日-21日/20h30、
(20日/17h)。Centre Pompidou 4e
*La place du singe:9日-12月8日/21h、 火/19h、日/16h(月曜と11月14日~21日は 休演)。
Theatre National de la Colline :
15 rue Malte Brun 20e 01.4462.5252