ボルドーはワインだけじゃないのだ。

モンテーニュの跡をたどって。

Je ne peints pas l’estre. Je peints le passage
(Livre III, chapitre 2)

ボルドー特集。行かなくてはならない、何かが語りかけていた。数年前に車で廻ったボルドー。その時には行きそびれたモンテーニュの城。次々と呼び起こされるモンテーニュの思い出。ワイン畑の緑、ワインの香り。そして旅立つ。
モンテーニュの城に行くにはボルドーから約30キロ手前のリブルヌでTGVを降り、ボルドーからサルラへ向かうTERに乗り換えだが、このリブルヌLibourneで途中下車。駅から百メートルほど歩くと右手には観光局、正面には歩行者天国になっている商店街がある。その中ほどにあったケーキ・チョコレート屋に立ち寄ったあ
と、16世紀の建物に囲まれた中心広場(1)に出る。すでにモンテーニュの生きていた時代の雰囲気に包まれる。広場からさらに10分くらい歩いて川に出る。これで街の中心部を20分で抜けたことになる。駅に戻るのに今度は裏道を通ってみる。ところどころに16世紀の古い造りの建物がある。昼食を観光局の斜向かい、20世紀初頭からあるという天井の高いレストランLe Grand Café de l’Orientでとる。ブドウが混ざっているタルタルステーキにフォアグラがのっているものと、サンテスタッフの赤を一杯。ゆったりしているとちょうど電車の時間。


電車は8分でサンテミリオンに。そこからモンテーニュの塔へいく最寄り駅ラモット・モンラヴェルまでは10分。左右にブドウ畑が広がる。駅に着くと連絡してあったガイドさんが車で待っていた。そして城へ。モンテーニュが『エッセー』を書いた塔。そこで死を迎えた塔。4世紀という時間を超えて残っている塔。かつてモンテーニュが踏んだ石の階段。かつてモンテーニュが歩きながら、本を手に取りながらつれづれと瞑想していた図書室。この塔からは、彼の自由奔放な思想がいかに動いていたか、渦巻いていたかが感じられる。感無量。お城の周りを散歩してフランス語のみのガイド付きの見学をした後、モンテーニュの時代より前からあったというワイン畑から作られたワインの試飲。ベルジュラックの赤とモンラベルの白。いずれのワインも「お土産ワイン」ではなく、至極立派な味。途中ワインのためにサンテミリオンに寄ることも考えていたが、このワインに出会ったことで大満足。帰りはモンテーニュが馬でここを通ったかもと思いながら、駅まで4km弱の道を歩く。途中、車がときおり止まって、乗せていこうかといってくれたが、最後まで歩く。駅に着いたのが40分後。そして18時13分発ボルドー行きの最終電車に乗り、ボルドー市内に着いたのが19時近く。パリを出てから11時間、心身ともに充実した一日だった。(樫)
Mon stile et mon esprit vont vagabondant de mesmes. (Livre III, chapitre 9)

 

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