ティータイム向けのケーキを作ってみよう。

Gâteau de mamie

 フランスでは、どこの家庭でも得意のケーキを持っていて、「おばあさんのケーキgâteau de mamie」といって自慢する。そんなわが家の「おばあさんのケーキ」に、今回は洋ナシを入れて焼いてみた。生クリームもたっぷり入ってしっとりとした味。そのうえ作り方も簡単だし、覚えておくと便利なケーキです。
 オーブンの目盛りを180度に合わせて点火しておく。大きなボールに卵を3個割り入れ、砂糖を大さじ9杯加え、泡立て器で勢いよくかき混ぜる。ここへ、”maizena” という商品名で市販されているコーンスターチ大さじ7杯、やはり泡立て器を使いながら少しずつ混ぜ入れる。続いて小麦粉を同量、そしてベーキングパウダーlevure chimique 1袋を混ぜ入れる。ダマができないように気をつけたい。最後に生クリームをやはり大さじ7杯加えてていねいに混ぜ合わせる。大人向けの味にしたい人は、ラム酒を大さじ1、2杯加えよう。
 テフロン加工してある直径20センチの型にたっぷりとバターを塗り、まず生地を半分流し込む。皮をむいて切り分けておいた洋ナシを並べ、ここへ静かに残りの生地を流し入れる。熱くなっているオーブンに入れ、およそ35分、表面にきれいな焼き色がついたらでき上がり。
 オーブンから出した直後に型からはずそうとすると、くずれてしまう。10分ほど置いて少し冷ますと、ケーキが少々縮まってはずしやすくなる。型より大きな皿をあてがって、逆さまにすれば「うわ~簡単!」きれいに型からとれる。
 この「おばあさんのケーキ」、熱いときよりも、少々冷めた方がうまい。ティータイム向きのケーキだが、バニラアイスクリームなどを添えれば素敵なデザートになるだろう。熱く香り高いコーヒーといっしょに朝食にもいい。ナシのかわりにリンゴを入れてもいい。(真)

卵3個、砂糖大さじ9杯、コーンスターチ大さじ7杯、小麦粉大さじ7杯、生クリーム大さじ7杯、ベーキングパウダー1袋(11グラム)、洋ナシ2個、バター、好みでラム酒少々


●南米産の洋ナシ poires
 以前、洋ナシpoireというと、夏の終わりから冬にかけての果物だったが、今では、春から夏にかけてチリなど南米産の洋ナシが輸入されているので、年中食べられるようになった。でもそのままをかじるという時は、やっぱりフランス産の “wiilliams” と “comice” にはかなわない。

 

●Maizena
 「マイゼナ」は商品名だけれど、今ではコーンスターチの代名詞。かたくり粉同様につなぎに使ったり、ソースにトロミをつけたり、揚げ物の衣にしたりと用途は広い。ケーキを作るときに小麦粉と併用すると、軽い焼き上がりになる。

 

●ラム酒 rhum
 サトウキビから作られる蒸留酒ラムは、フランス人も愛飲する。白ラム酒rhum blancは、ダイキリとかモヒートなどのカクテル向き。褐色のラム酒rhum ambréは、お菓子の生地に入れたり、料理をフランベするときに使う。フランス人は風邪気味の時に、熱湯、砂糖、レモンの搾り汁を加えたグロッグにして飲むことが多い。長い間寝かされたrhum vieuxは、もっぱら食後酒として味わう。

 

●Tamiser de la farine
 お菓子を作るときには、ダマができないように小麦粉をふるいにかけるtamiser de la farine。「ふるいにかけられた小麦粉 farine tamis仔」と記されたものもあるが、これもやはりもう一度ふるいにかけた方が無難。

 

●Beurrer un moule
 テフロン加工してある型 moule non-adhésifでも、きちんとバターを塗ってから、生地を流し入れましょう。味もぐんとよくなる。   

 O U T I L
●Moules
 ケーキやタルトをこれから作ってみようという人は、少なくとも型は3種類揃えたい。直径30センチくらいのタルト用の浅い型moule a tarte、今回のレシピで使った直径20センチほどのやや深い型moule à manque、それに果物の砂糖漬けや干しブドウを入れて長方形に焼くパウンドケーキ用のmoule à cake。テフロン加工してあるものの方が、型からはずすときに便利。