森の中は水仙が花ざかりだった。
Parc Forestier National—RER B5線Sevran-Livry駅下車パリの北駅から20分でSevran-Livry駅に着く。駅前広場からウルク運河のポプラ並木が見える。スブラン国立森林公園へは、橋を渡ってから左に向かうのだが、運河沿いの小道へ下りて歩いて行こう。ポプラの浅緑色の芽がふくらんでいる。運河ではカモが小ガモを従えて気持ちよさそうに泳いでいる。
ジョッガーがボクらを追い抜いていく。ツタが垂れ下がっている二つ目の橋で上にあがると、115ヘクタールの広さがある森林公園の入り口。ここは1867年から1973年まで弾薬工場があったところで、アルフレッド・ノーベルも1879年から10年間スヴランに滞在し、この工場で実験を続けたという。
平日のお昼ごはん時だったせいか、森の中はボクらだけの世界、といってもいいくらいに静かで、シジュウカラなどの鳥の声がこだましている。足元にはいたるところ、スイセンが咲きそろっている。「あっ、リス」と友人がささやいた。きょろきょろあたりを見回しながら、するするっと太い幹を登っていく。カシの木が多い。見上げると新芽をつけた枝ぶりが美しい。セコイアの大樹も2本見つけたぞ。ゆっくり一周すると、軽く2時間はたってしまう。ヤギやロバ、アヒルがいる農園、ピクニックやフリスビー遊びに最適な広い芝生、高台にはいろいろと遊べる児童用のプレイランド…。中央には松林で囲まれた沼があり、そこは、カモやオシドリだけでなく、時にはサギやカワセミもやってくる鳥たちの楽園だ。パリから15キロ、郊外の住宅地の真ん中にいることをすっかり忘れてしまう。(真)
*森林公園内での植物の採取は禁止。
バードウォッチング用双眼鏡があると倍は楽しめる。
*広い芝生近くに公園保護協会経営のカフェがあるが、閉まっていることもある。水筒持参、サンドイッチやおにぎりも用意してピクニックです。
*週末は静かな午前中がねらいです。
*森林公園の開園時間:
春・夏は8hから19h45まで。