ペニッシュの港にも春の気配がただよっている。
Conflans-Sainte-Honorine —RER A3線Conflans-fin d’Oise駅下車
日射しが暖かくなってくると、水辺が恋しくなる。ペニッシュの町を散策するのはどうだろう?
行きはRER線を使わず、国鉄のサン・ラザール駅からMantes-la-Jolie方面に乗りConflans-Ste-Honorine駅へ。下車したらセーヌを目指し、15分ほど南下する。まずは川岸の観光局で地図を入手。観光局を背に左手へ3分も歩けば、ペニッシュが寄り添うように仲良くただようサン・ニコラ港。ここでの見どころは、今年でちょうど100歳という文化財指定の長老船 “Le Jacques”だ。黒光りする船体が凛々しい。シーズンには毎週末見学会が催される。この辺りは”Vieux Conflans” といい、古くからの町の中心地だった。11世紀に建立されたモン・ジョワ塔やサン・マクロー教会、膨大な河川航行関係の展示物を誇る河船博物館などがある。そして展望台から、くすんだ赤い屋根の並びやセーヌの流れを見下ろすのも忘れないように。すべて密集しているので、地図か看板を頼りに歩けば、すぐに見つかるはずだ。
さて再び川沿いに戻ったら、今度は逆行し、ペニッシュの中にある珍しい教会 “Je sers”を目指す。フランスに六つ存在するという教会船のうちの一つだ。入り口のマリア様に挨拶して足を踏み入れると、階下にチャペルが広がる。手作り風のステンドグラスから、柔らかな光が降り注いでいた。やはりふつうの教会とは違い、奥にはバーカウンターもあるのが一興だ。そろそろお腹もすいてきた。川岸にはいくつか評判の店もあるが、予約なしでも入れ、教会船を越えさらに10分ほど直進したところにある”L’Armagnac Bigorre”へ。地元民に親しまれているレストランだ。セーヌを眺めつつ、アルマニャックと海の幸を味わいたい。コースは18ユーロから。ここまで来たら、パリに戻るRER B3線の駅Conflans-Fin-d’Oiseは、もう目と鼻の先なのだ。(瑞)
港を前にしてパイプをくわえながら絵を描く人…。
100歳の長老船”Le Jacques”。
*観光局:
1, rue Rene Albert 01.3490.9909
www.conflans-tourisme.com
*L’Armagnac Bigorre :
cours de Chimay 01.3972.8836
船上の教会。
帆柱が見える。