●フランス財政悪化 3月1日、INSEE(国立統計経済研究所)は、2003年度のフランスの負債額は9850億ユーロで、国内総生産の63%に達する。2002年度より4.4%増で、財政悪化の傾向が明らか。財政赤字は540億ユーロ(社会保障部門だけでも110億ユーロ)で、国民総生産の4.1%。 ●クロード・ヌガロ死去 3月4日、シャンソン歌手クロード・ヌガロが、パリの自宅で亡くなった。74歳。1929年、トゥールーズ市に生まれる。父はオペラ歌手。ジャズやボサノバなどのリズムを取り入れたスイング感に溢れるシャンソン『ジャズとジャワ』、『Tu verras』などのヒット曲で知られている。2000年に『ヌガヨーク』というNY録音のアルバムで奇跡的なカムバック。5日、トゥールーズ市のル・キャピトル広場に1万人が集まり、ヌガロの代表作を聴きながら別れを惜しんだ。 ●ミシュランガイドに暗雲? レストランの格付けのバイブルともいえるミシュランガイド。そのミシュランのinspecteur(視察官:レストランをお忍びで訪れて試食し採点する人のこと)だったパスカル・レミーが、舞台裏を暴露した。彼によれば、視察官はたったの5人だけで、各自1年に200軒テストしても、掲載されている1万軒のレストランの10分の1しかチェックできず、「毎年視察官が訪れている」といううたい文句は神話にすぎない。また三つ星のレストランなどは特別扱いされていて、1/3以上がそのレベルに達していない、などなど。ミシュラン側は、欧州全体で100人の視察官がいる。三つ星の数が増えたからといって、ガイドの販売数が増えるわけではないので、特別扱いする理由はない、などと直ちに反論。 ●国鉄線路から爆弾 3月3日のサルコジ内務相の発表によると、政府は、昨年末からAZF*と名乗るグループから脅迫を受けていた。2月13日になって、AZFは、パリ—トゥールーズ間の線路に10個の爆弾を仕掛けたことを伝え、その位置を教える代償として400万ドル+100万ユーロを要求。21日には、そのグループから指示されたリモージュ駅近くの線路下から爆弾が発見された。幸い起爆装置が作動しない状態だったが、その爆弾を爆破させてみたところ、線路を破壊するに十分な破壊力を持っていることが判明。3月1日、ロワレ県のモンタルジス市付近で代償金を払うことになっていたが、日が暮れて暗くなったために実現できなかった。それ以来AZFからの連絡は途絶えている…。 「このグループについては何もわかっていないが、彼らの脅迫は信憑性がある」とサルコジ内務相は語った。フランス国鉄は職員1万人を動員し、3月4日までに脅しの対象に当たる3万キロ以上の線路を点検したが、ほかの爆弾は発見されなかった。 *2001年9月21日、トゥールーズ市郊外にあるAZF社の化学肥料工場が大爆発し、死者30人、負傷者3000人以上を出した。 ●アヌシー市のモスクが放火される |