●猛暑による死者は1万4802人 INSERM(国立保健医学研究所)は、8月上旬の猛暑が原因で死亡したフランス人は、お年寄りなどを中心に1万4802人と発表した。8月4日ごろから死亡者数の増加が顕著になっていたが、全国の死亡証明のデータがコンピュータ化されていなかったこともあって、関係各省の対応が遅れたと指摘。 ●2004年度予算案 9月25日の閣議で2004年度予算案が通った。それによると歳入は、3%減税のあおりを受けて昨年より3億4500万€減の2278億2800万€、歳出は昨年より106億ロ増の2833億4600万€。赤字額は555億1800万€で国内総生産の3.7%に達する。この予算案では、都市計画・運輸・住宅省の予算が5.7%削減されているのが目立ち、住宅難にもかかわらずHLM(低家賃住宅)建設などにブレーキがかかりそう。予算が大幅に増えたのは国防省、内務省、司法省。 ●盲導犬が不足している 9月27日は「盲導犬の日」だったが、フランスで4万人とされる目の不自由な人に対して、盲導犬は約1000匹に過ぎず、新しい盲導犬訓練センターの設置が望まれている。盲導犬は白い杖より人目を引き、事故に遭うおそれが減少し、道を渡ったり、バスや地下鉄に乗ったりするときに助けを申し出る人が増え、何よりも心の支えだという。 ●ポー市の派出所襲われる 9月27日午後3時ごろ、ポー市北部、オース・デ・ボワ団地内にある派出所に、覆面をした若者10数人がやってきて、火炎びんを投げ入れて放火。派出所内にいた警察官3人は無事だったが、建物は全焼した。3年前、同団地内に住んでいたサイッド・バララさん(当時20歳)が刺殺された事件の裁判で、前日26日、重罪院で、容疑者たちに禁固6年あるいは無罪という軽い判決が下されたことへの不満が爆発したのではないかと見られている。 ●エールフランスとKLMの合併近し 9月30日、エールフランスは、KLMオランダ航空と共同で持株会社を設立し経営を統合する、と正式に発表。この統合が実現すると、航空機500機、従業員10万人以上を有する総売上高200億€を超えるの航空会社になり、アメリカン・エアラインズを抜いて世界のリーダーの座につくことになる。イタリアのアリタリア航空もこの統合に参加する方針を明らかにした。 ●第82回凱旋門賞 10月5日、パリのロンシャン競馬場で、クラシックレースの華「凱旋門賞」が争われ、優勝候補のダラカニが、終始落ち着いた走りぶりで勝利を飾った。騎手は、今年最多勝を誇っているクリストフ・スミヨン(22)。 ●与党内で35時間制への批判強まる 財政赤字、経済成長率の低下、失業者増加などで、人気下降中のラファラン内閣。その批判の矢先をかわそうと、メール大蔵相や与党UMPの議員たちの間で、前社会党政権が実現した労働時間週35時間制にその責任があるという声が高まっていた。目立った新規雇用はない、労働意欲をそぐ、国の財政にとって非常に高くつく、企業の競争力が弱まる、などがその理由で、ラファラン首相も35時間制見直しのために国会委員会を設立したい意向を示していた。しかし、10月7日、各組合との正面衝突をおそれたのか、シラク大統領は国会委員会設立を断念するように指示。 |