〈レキップ L’Equipe〉という新聞がスポーツ新聞の市場を独占しています。1980年代、〈ル・スポール Le Sport〉という競争紙が発行されましたが、この新聞は数カ月も存続しませんでした。 〈レキップ〉は全能です。〈レキップ〉は独自のニュースを創出し、ツール・ド・フランスのようなスポーツ・イベントを積極的に主催し、それについての記事を掲載し、他紙にはないスポーツに関連した情報を販売競争の武器として活用してきました。 とはいえ〈レキップ〉のスポーツ紙界での独占的なあり方には否定的な面もあります。ツール・ド・フランスに関していえば、ドーピング問題を深く分析した記事があまりありません。〈レキップ〉はこのイベントの主催者ですから、マイナスになるような記事は避けるのでしょう。競争なしの情報はだんだん質が悪くなってきて、読者は〈レキップ〉から離れるようになっています。2001年以来、新聞の売り上げが下降線をたどり始めました。〈レキップ〉は不景気だという声が聞かれます。 この傾向はますます強まるかもしれません。というのも、10月10日から〈スポーツ Sport〉という無料誌が、フランス各地方で60万部配布されています。この月刊誌(2004年1月から週刊)は、〈レキップ〉の独占を脅かし、スポーツの新しいイメージを紹介することでしょう。これは望ましいことです。(クロード) |