一年間限定共同生活も終わりに近付いた。 地下鉄Les Halles駅 。18m2。家賃600euros(一人300euros)。

 建築事務所で働くスペイン人のヘスス君(27 歳)と、ミラノ理工科大学で建築を専攻し、一年間パリ留学したマルコ君(22歳)。一年前、それぞれのお国からパリに到着し、共通の友人の紹介で出会ったふたりは、初対面の挨拶をした後そのまま共同生活を始めることになった。
 テレビなしの生活。見たいものがあれば友人宅で見せてもらう。音楽はコンピュータにCDを入れて聴いたり、仕事場でインターネットで音楽をダウンロードしてきて聴いたり。電話線が引かれていないので、友人たちとは携帯のメールで連絡を取り合う。建物の最上階、いわゆる屋根裏部屋のこぢんまりした部屋で、大きな男の子二人が2段ベッドに寝起きする(身長195センチのヘスス君が自然と下のベッドに決まった)。アメリカのテレビドラマ『フレンズ』の影響で、フランスでも若者たちがアパートをシェアするのが一般化したというが、それとは多分イメージがちょっと違う。
 二人の交通手段は自転車だ。仕事や授業の後、いったん帰宅してまたササッと出かける。狭い住まいだが、パリの中心地であることは何よりの財産。特に、一年間限定でパリ滞在のマルコ君は出来る限りのことをしようと、お出かけに熱心。 
 窓の外に張り出したトタン屋根には、レタスの葉っぱの切れ端や(レタスの水切りをするから葉っぱが落ちるのだそうだ)、タバコの吸い殻、散髪の場にもしているので髪の毛の塊が落ちている。その他にも洗濯物を干したり、天然冷蔵庫にしたり、日光浴をしたりと屋根をテラスのごとく使う。そんなことをしているから下階の住人とはあまり仲よくない。しかし「テラス」での存在アピールにより、道を挟んだ向かいの建物に住んでいる女性とは、最近食事を一緒にした。
 このような同居生活の場合、一人がガールフレンドを連れてきたりすると、もう一人が迷惑を被る・・・というトラブルがおきないのだろうか? 彼らの場合、その問題はなかったそうだ。ふたりともガールフレンドに恵まれなかったのだ。
 一年間の同居期間も終わりに近付いてきた。マルコ君がミラノへ帰るので、ヘスス君も引っ越しを決めた。ベルヴィルにある近代建築で広めのアパートを3人の学生たちとシェアする予定だ。マルコ君は友人のつてでミラノのアパート探しに成功し、ひと安心。10月21日からミラノでの授業が始まるので荷物づくりやら、アパートの掃除で忙しい。(美)

上がマルコ君、下がヘスス君。

大いに活用しているトタン屋根。


パレ・ロワイヤル庭園ではサッカーもする。
 マルコ君とヘスス君(Jesusと書く)は、毎日顔を合わせているだけでなく、一緒に旅行したり週末に遊んだりもする。
 レ・アールやマレ地区の公園などにある卓球台では、ヘスス君がプロ級のプレーをそれとなく披露する。マルコ君は、得意のサッカーの技を見せたいところだが、自分たちのアパートのある通りでボール遊びをしていると、通りがかりの中年女性に叱られたりする。だからふたりは家から歩いて5分のパレ・ロワイヤルの庭園によく行く(こちらもきっと球蹴りはしてはいけないのだが・・・)。しかしこののどかなる庭園では、走り回るだけではない。本を持っていって木陰や噴水の脇で読書などもする。回廊を静かに散歩したりもする。灯りがともった美しい夜の回廊には、夜遅くなっても入ることが出来て、お気に入りの散歩コースなのだそうだ。(美)
パレ・ロワイヤル庭園でサッカーをしている最中、ヘスス君にスペインのお母さんから電話。

 

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