Sapeurs – pompiers-救助消防隊
18
わたくしごとだが、1年ほど前に日本から来た甥夫婦と3人で歩道を歩いていたところを数人の青少年に背後から襲われた。わたしは押し倒されバッグを剥ぎ取られ数秒間意識を失ったようだ。甥は他の少年らに倒され蹴られ、ろっ骨を折られた。そこを通りがかった男性がとっさにケータイで18番に連絡してくれた。数分後に現場に来てくれたのは救助消防隊の赤い車と警察のパトカーだった。事情を聞いた後、消防隊は甥を病院に運んで行ってくれた。
このように戸外や家での事故や暴力の被害に遭った時、まずフランス人が連絡するのは18番(EU諸国内は112)だろう。パリ地域をカバーする17区にある本部には20人近い応対者が四六時中待機している。1時間の電話数は平均450件、1996年に60万件だったのが2001年は175万件と3倍に急増。実際に出動するのは約35~40万件だそう。
独り暮らしの老人が階段から足を踏み外したといって18、夫に暴力をふるわれたといって18、エレベーターが止まったといって18…。
SOS Amitie- 孤独
01 4360 3131 (英語: 01 4621 4646)
この協会は1960年に英国人神父により創立され、SOS界では最も古い。今日、フランス全国からかかってくる通話件数は年間約60万件。連日24時間、約2千人のボランティアが、孤独や家族の死の悲しみなどにうちひしがれる人たちや、自殺を思い悩む人たちの胸の底からもれてくる匿名の声に耳を傾ける。会ったこともない人に自分の苦しみを言葉にし語ることで、寂しさや悲しみが解消できるわけではないのだが、語ることで八方塞がりの壁に窓を開けることになるのだろう。
Violences conjugales – 夫の暴力
01 4033 8060 (月~土 7h30-23h30、祝日10h-20h)
フランスに住む女性の10人に1人は連れ合いから殴る蹴るの暴力を受けているという。社会階層を問わず、少なくとも年間200万人の女性が夫の暴力を受けているわけだが、被害者として訴える女性はごく一部で、多くは泣く泣く夫婦生活を続けているようだ。《SOS夫の暴力》には年間約9万件の電話がかかり、そのうち約1万6千件(半数はパリ地域)の処理にあたっているという。被害者の苦しみに優しく耳を傾け、自宅にいては危険な場合は応急処置として、ある期間、被害者女性が子ども連れでも宿泊できる共同宿舎を紹介してくれる。話し中が多いので、急を要する場合はまず警察《17》に連絡すれば、当窓口とも連絡がとれるはずだ。
SOS Familiales – 家族
01 4473 0127(月~金 16h-19h)
警察署の壁に《SOS Familiales》のポスターが貼ってある。夫、父親による家庭内暴力や、親族による未成年者への小児性愛的行為や性的虐待の被害者の悩みを聞き、ケースワーカーの介入や、場合によっては調査官の取り調べへとすすめられる。
Jeunes Violences-対青少年暴力
0800 202 223 (無休 8h-23h)
校内暴力や家庭内暴力の被害者窓口として、イル・ド・フランス地方圏議会が3年前に開設。カウンセラーが青少年らの悩みを聞き、場合によっては地区の福祉課など、どこに申し立てをすべきか説明する。年間約20万件の匿名電話があり、そのうちの20%は暴力やいじめの被害を受けた子どもの親からだ。
Suicide ecoute – 対自殺窓口
01 4539 4000 (24時間無休)
フランス人は日本が世界でいちばん自殺者が多いとみているようだけれど、フランス国内の自殺未遂件数は年間16~20万件にのぼる。自殺者は年間1万1千人台、そのうち男性は約8千人、女性は約3千人。そして15~24歳台の自殺者は平均の3倍を占める。
自殺との境目にある人から匿名でかかってくる電話に70人のボランティアが応対。彼らに語らせることによって心を軽くさせ、自殺を思いとどまらせるよう努めている。
Discrimination raciale-対人種差別
114 (月~金 9h-19h)
就職や隣人付合いでの人種差別や、黒人を歓迎しないディスコ、家を借りる時などに人種差別を受けた人を助ける窓口で内務省の管轄。十数人の専門家が事情を聞き、差別者告発の法的な手続きまで指導する。例えば、6カ月ほど前、ムーラン・ルージュの給仕・サービス係は全員白人で、ブラック系従業員は調理室の下働きしかさせない、という差別的扱いを一人の社員が訴え勝訴した。日常生活の中で些細な差別でも一つ一つ、法の力を借りてでも解決していくことで、人種差別という氷山の一角一角を切り崩すことになるのだろう。
SOS Homophobie – 対ホモ差別
01 4806 4241(月~金 20h-22h)
ホモセクシャルの社会的排斥・差別の被害者として、職場や近所付合い、家庭内で自分のアイデンティティを隠さねばならない矛盾や悩みを打ち明け、アドバイスを求める男性が多いという。
SOS Avocats – 法律案内
08 2539 3300 (月~金19h-23h30)
パリ弁護士会付属の無料法律案内窓口で、離婚問題から労使問題まで商事・民事・労働裁判所または調停委員会の介入を必要とするさまざまな問題に対し初歩的アドバイスや申し立てのノウハウを無料で説明してくれる。
Bus Barreaux Solidarite – 司法バス
ふつうSOSサービスは電話による応対が多いが、このバスは、パリ弁護士会所属の弁護士のボランティアが交代で市内数カ所に定期的に駐車し、底辺の人びとにも司法の手をと、サン・パピエ(滞在許可証のない者)や最低収入生活者(RMI)でも、司法関係だけでなく福祉面の相談にものる。家主との問題や不当な解雇、失業手当切れの無職者、離婚問題、労賃の不払い…といった問題に対し、それらの解決策と申し立て先などを説明してくれる。
– 14 av. de la Porte de
Montmartre 18e
日時:毎週火曜17h~20h
– Place Marie de Miribel 20e
日時:毎週土曜10h~13h
DCCRF Paris – Ile de France
01 4027 1600 (月~金 9h-10h/14h-17h30)
DCCRFとはイル・ド・フランス地域管轄の《競争・消費・詐欺取締局》の略字で公的機関の一つ。家の改装工事などで業者が見積り以上の価格を請求し「払え払わない」の対立関係になった時とか、嘘辞広告にだまされ、高いお金をふんだくられた時などは、《DCCRF》に申し立てができる。
UFC – Que choisir- 消費者団体
01 4274 5442 8 rue de Jouy 75004 Paris
消費者雑誌《Que choisir》の発行元、消費者連盟(UFC)が運営する組織。会費(パリは26ロ)を払えば、消費者として被るさまざまな損害やトラブルなど、損害賠償請求の手続きや提訴などのノウハウを指導。弁護士も紹介してくれる。
Paris Infos Mairie – パリ市案内
08 2000 7575 (月~金 8h-19h / 土8h30-13h)
電話案内係としては意外とてきぱきしていて親切なパリ案内係。彼ら50人が1日平均1200件の問い合わせ電話をこなし、パリ市の催し物から文化・スポーツ施設、高齢者・障害者関係、粗大ゴミ回収まで最大限答えてくれ、パリ生活をより便利にしてくれている。
《医療関係》
15 (24時間無休)
パリ地域に8支部、県ごとに支部があり、電話番号[15]にかければ、応対する医師が症状や負傷状態を聞き、それにみあった病院の救急当直医に連絡、救急車を手配し指定の病院に送り込む。大規模な事故などは、消防隊や赤十字と連絡し合い、それらの救急車を派遣させることもある。ちなみに出動回数は年間約250万回だそう。
SOS Médecins – 救急医
08 2033 2424 01 4707 7777
1966年に創立、SOSの先駆者でもある。一般医は週末や夏の1カ月間は休業するので、24時間無休のこのSOS医に電話し往診を頼む人が増える一方。パリ地域だけで1日平均2千件(年間約80万件)、週末は夜間も含め平均6千件の電話がかかってくるという。180人からの当直医が車で1時間以内で往診してまわる。
往診料:健保協定料金20euros~60euros。
Urgences pédiatriques – 救急小児科
01 4394 3501
(平日20h-24h/土14h-24h/日 8h-24h)
真夜中の子どものひきつけや下痢、発熱など、親はどうしていいかわからない時は、パリ市内の《SOS 小児科》にあたるこのサービスを利用。4人の当直医が往診を行う。ホテルにも往診してくれるので旅行者家族にも便利。
往診料:63euros(2歳未満 68euros)
SOS Dentaire – 歯痛
01 4337 5100 87 bd Port-Royal 14e
(平日 20h-23h45 / 土日 9h20-12h /
14h20-19h / 20h-24h)
入れ歯や虫歯治療はしないが、歯痛の救急治療など、当日電話して夜遅くでも駆けつけられる。料金は一般歯科と同一料金で健保有効。
Sida Info – エイズ案内
0800 840 800 (無休)
エイズ問題が沸騰した80年代初期は年間200万件以上の電話が鳴ったそうだが、96年以降はエイズが一般化したせいか平均77万件ほど。エイズに関するすべての質問に答え、医療関係施設を紹介する。
Drogues Tabacs Alcool予防窓口
113
最近、増えているのは15~20歳台のカナビス(大麻)に関する問い合わせだそう。カナビス喫煙者に精神分裂症などの弊害が生じるケースが増えている中で情報活動に懸命。ソフトドラッグとみられているカナビスも、フランスでは他の麻薬同様、法律で禁じられている。
電話の半数はタバコ関係で、地区の専門医や病院、精神科医、アソシエーションなどを紹介してくれる。
SOS Optique – 応急眼鏡
01 4807 2200(無休) 78 rue de la Roquette 75011
週末や夜間に事故にあい眼鏡を割ってしまったり、なくしてしまった時など、応急的に代わりの眼鏡またはコンタクトレンズを調整してくれる。当窓口(10h-19h30 日休)まで行けない場合は、24時間無休で眼科医が出張(無料)してくれる。眼鏡は市販価格。
Centre anti-poison – SOS毒物
01 4005 4848 200 rue du Fbg St-Denis 75010
《対毒物センター》は、パリ10区にあるフェルナン・ヴィダル病院内にあり、子どもなどが何か毒物を飲んでしまった時など、まず電話で応急処置を教えてくれる。